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[MOM868]明治大FW太田龍之介(4年)_4月1日生まれのバースデー弾

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FW太田龍之介(右、4年=岡山U-18)はFW佐藤恵允について「刺激になる存在」と話す

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.1 関東大学L1部第1節 明治大1-1東海大 味フィ西]

「いろんな人からバースデーゴールを頼むよと言われていたので」。右手で2本、左手で1本を突き立てて、クロスしてポーズを作った。明治大のFW太田龍之介(4年=岡山U-18)はこの日、21歳の誕生日を自らのゴールで祝ってみせた。

 負傷者が出たことによる緊急出場だった。前半20分、開幕スタメンを勝ち取っていたFW馬場惇也(3年=磐田U-18)が負傷。ベンチスタートとなっていた太田に出番がやってきていた。

 すると1点ビハインドで迎えた後半6分、右サイドからMF中村草太(3年=前橋育英高)が入れ直したボールを頭に当てると、ゴール左隅に流し込む。「そこは実現できて良かった」。周囲の期待に応えられたことにまずは安堵した。

 日本の学校教育法では、4月1日生まれで学年を区切ることになっている。出生時間が数時間ずれていたら。元プロ野球選手の桑田真澄氏の誕生日でも有名だが、特に幼少期に成長速度で差がつくことから、一般的に不利と言われる日だ。

 太田も小さい頃はハンデを感じることがあったという。「丸一年違う(子もいる)ので、苦労してきました。中学生のころは1個下だったら余裕で出来るのにとか、いろいろ思うことはありました」。ただその苦労がなければ、今の自分もないと思っている。「もし一日遅かったら同期も違うことになる。そう考えると、この日にちで良かったなと思います」。

 U-22日本代表に選ばれる同期のFW佐藤恵允が注目を集める世代だが、入学初年度、開幕戦でベンチ入りし、リーグ戦デビューを飾ったのは太田だった。得点を決めて注目されたのも太田の方が先だった。「身近で一緒にサッカーをしてきて、代表で活躍しているのを見ると刺激になる。自分も全然負けないと思っていて、尊敬しつつも絶対に超えてやろうと思っています」と意識を十分にする存在だ。

 もちろんこれからもライバル関係を継続させたいと考えている。オフには高校時代を過ごしたファジアーノ岡山の練習にも参加。プロの舞台でやれる手ごたえを掴んで帰ってきた。「将来はプロで勝負したいという思いはあるけど、まずは明治で。絶対的な存在になって行けば、自ずと結果もついてくると思うので、絶対的な存在になって、5冠を取りたいと思います」。チーム内の切磋琢磨が生み出す世界。新たな最強世代を築き上げる。

(取材・文 児玉幸洋)
●第97回関東大学L特集

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