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[関東]デンチャレでは高校生で史上初のベスト11、法政大1年生FW小湊絆が大学リーグデビュー戦で初ゴール!

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大学リーグ初出場初ゴールを決めたFW小湊絆}}

 一矢報いるゴールになった。後半9分までに3点のビハインドを背負った法政大は、後半21分から大学リーグデビュー戦となるFW小湊絆(1年=青森山田高)を投入する。

 すると4点差とされて迎えた後半43分、FW相澤デイビッド(2年=日本文理高)の右クロスを胸トラップで受けた小湊は、中央に切り込みながらシュートコースを作って右足を振り抜く。倒れ込んだ小湊だが、すぐさま起き上がると、両手拳を突き出して雄叫びをあげた。

 入学前から大学生を相手に結果を残してきた。青森山田高の10番として高校選手権で8強を経験した小湊は、日本高校選抜でも10番を背負うと、3月には大学生の選抜大会であるデンソーカップチャレンジに出場。出場3年目となった高校選抜に歴史的な初勝利をもたらすと、通算3得点を決めて史上初めて高校生でベストイレブンに選ばれた。

 そこで気づいたことがあったという。「決めるべきところで決めると、ああいうところでも評価される。それが出来なかったのが、高校の時の自分だった。それだけをするわけじゃないけど、そこを一番重要視していかないといけないかなと感じました」。FWに一番必要なことは得点。大学4年間で磨いていきたいポイントを再確認した。

 高校選抜で行った欧州遠征の影響で、大学初登校が10日ほど遅れた。「最初に行った時には、もうみんな仲良くなっていた」と笑うが、さすが“選手権のスター”。「選手権観てましたみたいな?そうですね。結構キャンパス内で声をかけてもらうことも多くて、結構サッカー部以外の友達も出来ました」と新生活も順調にスタートさせている様子だ。

 もちろんサッカー面でもハイレベルな環境に大いに刺激を受けている。「代々、上田綺世さんから受け継がれているFWとしての動き出しとか、視線とか、体の開き方とかを教えてもらっています」。これまでのサッカー人生では同じポジションの選手にアドバイスを求めることはなかったが、大学ではFW石井稜真(3年=福岡U-18)やFW相澤デイビッド(2年=日本文理高)といった同ポジションの選手に教えを請うようになったという。「ライバルの人に教えてもらうことは、自分の中にプライドがあってなかなかなかったけど、大学生になって新しい自分を知れたかなと思います」。

 そして同級生の活躍もライバル心に火をつけている。法大で同級生になったMF松村晃助(横浜FMユース)やMF島田春人(横浜FMユース)はすでにリーグ戦で活躍。松村はU-20日本代表に選ばれ、U-20W杯に出場する。また高校選抜でともに戦い、横浜FCジュニアユース時代の同期だった慶應義塾大FW塩貝健人(國學院久我山高)は「負けたくない」と特別な意識を向ける存在だ。

 ただまずは、自分自身がレベルアップすることに集中したい。「もう少しサッカー人生に刺激を与えたい。ただただ4年間を過ごすんじゃなくて、代表にも入りたいし、大学選抜とかも入りたい。プロの練習参加も刺激として加えたい。努力次第なところもあるけど、人生に刺激が欲しいから今を頑張るという感じでやっていきます」。各校で楽しみな選手が多い今年の大学1年生世代だが、小湊もその一人であることに間違いはない。

(取材・文 児玉幸洋)●第97回関東大学L特集

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