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[MOM986]法政大MF揖斐俊斗(4年)_魔法をかけた主将の左足、一戦必勝の思いで目標達成へ

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主将が大事な試合で1G1A

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.29 関東大学L2部第15節 日本体育大 1-3 法政大 横浜・健志台G]

 5位の法政大が2位の日本体育大に逆転勝利し、混戦の関東大学リーグ2部で優勝争いに踏みとどまった。大きな3ポイントをもたらしたのは主将MF揖斐俊斗(4年=柏U-18)の左足だった。

 1-1で迎えた後半22分、ゴール正面やや左でFKを獲得。MF松村晃助(2年=横浜FMユース)がフェイクをかけて壁のタイミングを外すと、揖斐が左足を振り抜いたボールは鋭くゴール左上隅に突き刺さり逆転に成功した。



 続く後半35分、今度は右サイドでFKのチャンスを得た。ここもキッカーは揖斐。弧を描きながらニアサイドに蹴り込まれたボールをFW石井稜真(4年=福岡U-18/福島内定)がバックヘッドで合わせてリードを広げた。法政大は3-1で昇格争い直接対決を制して4位に浮上し、今節敗れた首位の慶應義塾大まで5ポイント差に詰め寄っている。



 揖斐は前日練習でもFKを決めていたようで「しっかり自信をもって、決めてやろうという気持ちがあった」。2年生からAチームを主戦場にする中でカップ戦での得点はあったが、これが待望の関東大学リーグ初ゴールとなった。アシストを記録したFKについても「前日のセットプレー練習は毎週やっていて、その中でクオリティーは徐々に上がってきている」といい、「日々の積み重ねがこのピッチに出た」と振り返った。

 法政大は1年での1部復帰が絶対的な目標の中、序盤は開幕3連敗と昨季の悪い流れを引きずっているようにも見えた。それでも立て直して勝ち点を積み重ね、現在は昇格争いとともに優勝争いを繰り広げている。主将を務める揖斐は「前にクオリティの高い選手が多い」とチームの強みを話す。これまで取り組んできたビルドアップにも自信を持って戦えており、「繋がりを持ちながら前進していく」チームスタイルへの手応えを示した。

 そういったサッカーにパスセンスが光る揖斐の存在は不可欠だ。日体大戦でも潤滑油のように機能し、ゲームコントロールを担った。さらには1ゴール1アシストで結果も残したものの、揖斐は今季の個人成績に物足りなさを感じている。というのも今季を迎えるにあたって5ゴール5アシストの目標を立てていたといい、残り7試合の中でアシスト数は「4」と目標に迫る勢いだが、ゴールは今節が初めて。「もっと自分がチームを勝たせるという気持ちを」と決意を新たにした。

 ゴールやアシストは最優先とするチームの結果に繋がるだけでなく、未定だという自身のプロ入りにも大きな影響を与える。「今日みたいに自分のゴールやアシストでチームを勝利に導ければ、必然的に自分の価値も上がっていって自分の目標に到達できると思う」と揖斐。タレント揃いの法政大で中核を担っているからこそ、結果を出すことがそのまま将来への道標になるはずだ。

 法政大は重要な一戦を制して上位2チームとの差を縮めたが、大混戦の状況は変わらない。昇格だけでなく優勝も狙える順位でありつつ、自動降格圏の11位との差もわずか6ポイント。終盤戦に向けて1試合の重みは増すばかりだ。

 揖斐は昇格争いの佳境に向けて「一つ一つ勝って勝ち点を積み重ねていくことでしか、目標到達のためには道はない」と目の前の試合に視線を向ける。「相手のことや他チームの事情とかもあるかもしれないですけどそこには目を向けず、自分たちにとにかく目を向け続けてやっていけば、自分たちの力だったら絶対にリーグ優勝できると思う」と意気込み、良い準備を続けながら一戦必勝の思いで戦い続ける構えだ。

(取材・文 加藤直岐)

●第98回関東大学リーグ特集
加藤直岐
Text by 加藤直岐

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