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[関東]審判に当たってもドロップボールとは限らない!桐蔭横浜大“白の6番”“セルフジャッジ失点”が大バズり「下を向かずに」

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[4.19 関東大学L1部第4節 筑波大1-0桐蔭横浜大 筑波大学第一サッカー場]

 大学サッカーであった一つの判定が、異例とも言える大きな反響を呼んだ。物議をかもすプレーがあったのは後半9分、桐蔭横浜大のMF永井大士(4年=聖和学園高)が前線に蹴り出そうとしたボールが主審に当たって跳ね返った。

 主審にボールが当たったことでピッチ内の選手の多くが足を止めてしまったが、プレーはそのままインプレ―となり、ボールをさらった筑波大のFW内野航太郎(3年=横浜FMユース)がドリブルで運んで得点を決めた。

 主審に当たった時点で、ドロップボールではないのか。桐蔭大の選手やベンチは猛抗議した。しかし映像を見返すと、センターサークル付近から永井が蹴ったボールが目の前にいた主審に当たって跳ね返ると、永井はそのボールを後ろに落とすようにして触れてしまう。そしてピッチにいた選手の多くが、セルフジャッジでプレーを止めてしまった。


※問題の場面は37秒あたりから

 サッカー競技規則第9条によると、ボールが審判員に触れてドロップボールで再開される場面について、次のような記載がされている。

「ボールが審判員に触れ、競技のフィールド内にあり、次のようになった場合、
 ・チームが大きなチャンスとなる攻撃を始める。または、
 ・ボールが直接ゴールに入る。または、
 ・ボールを保持するチームが替わる。
こうしたすべてのケースで、プレーはドロップボールによって再開される。」

 この場面はボールが永井に跳ね返ったことで、「ボールを保持するチームが替わらない」と判断されたということだ。主審の笛が鳴るまでプレーを止めない、セルフジャッジをしないといった基本を再確認するプレーになったと言ってもいい。

 しかしこの場面については、主要SNSで大量拡散。Xでは「桐蔭横浜かわいそう」とする動画付きのポストが大バズりをみせた。当初は「誤審」という流れがあったが、判定の正当性を主張するポストもされたことで、もとのポストは1100万回を超える表示がされている。

 議論が大きくなったことは、当事者たちの耳にも届いた。当然、桐蔭大もこの流れを把握。様々な意見が飛び交う中で、心無い声も確認したようだ。

 そして「白の6番」として議論に多く登場することになった永井が取材に応対。試合後はSNSを「あまり見ないようにしていた」というが、チームメイトから聞いて耳にはしていたようだ。

 永井自身は「スルーパスを出そうとして、繋がっていればチャンスというところで戻ってきた。審判に当たった瞬間に(プレーが)止まるものだと思ってしまった」と振り返る。しかし「勝手にセルフジャッジしてしまった」ことについては猛省する。

 ただ練習などでは「白の6番」というワードが飛び交うなど、“イジりワード”としてチームの雰囲気を良くしているという。今春は北海道コンサドーレ札幌やヴィッセル神戸のキャンプにも参加した注目の逸材でもある永井は、「試合を重ねるごとにコンディションはよくなってきている。下を向かずに、取り組んでいくしかない」と1分3敗と出遅れたリーグ戦の巻き返しを誓っていた。

(取材・文 児玉幸洋)

●第99回関東大学リーグ特集
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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