[アミノ関東]静岡学園Bチームで引退決断、一度もボールに触れない1年間も…入学後に復帰決めた横浜国立大DF大西遼久「シュートを打つだけで足が攣りそうに」

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[6.5 アミノ関東1回戦 横浜国立大 0-2 国際武道大 尚美学園大G]
高校でやりきったはずの選手人生。横浜国立大DF大西遼久(3年=静岡学園高)は完全にボールから離れた1年を経て、サッカーの楽しさを改めて感じながらピッチに立っている。
大西は名門の静岡学園高出身。Aチームに絡めたのは新人戦の序盤のみだったといい、最後の1年間もBチームで過ごした。それでも最後までBチームの試合を戦い抜き、「サッカーに一区切りをつける」決断を下した。卒業後は1年間の浪人期間に入り、すでに“現役引退”を決めていたため「1回もボールを触らなくて」と大西。当然サッカー部への入部可否は考慮せず、大学受験を経て横浜国立大への進学が決まった。
ところが入学後、横浜国立大の体育会サッカー部が真剣にサッカーに取り組む環境でありつつ、「セレクションは一切なくて、サッカー推薦もゼロ。基本的には勉強を頑張って入ってきた人の中から希望すれば誰でも入れる」ことを知る。加えて学生主体で運営していることに大きな魅力を感じ、もう一度サッカーに熱中していくことを決めた。
「高校のときまではサッカーをやっていればOKというような環境だった。(横浜国立大は)ピッチ内のことだけじゃなくて、ピッチ外のSNSの運用だったりスポンサーを獲得していく活動だったりと社会に出てからすごい役立つようなこと、貴重な経験もさせてもらえるので、そういうところでサッカー部に入ろうかなと思いました。あと、やるならやっぱり本気でやりたかったというのもあります」
もっとも1年間のブランクは大きかった。「4月に練習参加したときはシュートを打つだけで足が攣りそうになったり、走れないし、ボールが硬すぎて足の甲にあざができたり」と高校時代では考えられないような状態。そうしたコンディションは半年程度続いたというが徐々に本来の動きを取り戻し、昨年は大学リーグ東京・神奈川1部昇格に貢献した。
3年生になった今季は「首脳学年」と称される中心の立場に。大西は学生主体のチームで副キャプテンに就任し、「マネジメントもあったりして自分のプレーだけ良ければいい状態ではないので大変なこともあるんですけど、その分やりがいも感じながら貴重な体験をさせてもらっている」と充実ぶりを示した。
5日のアミノバイタルカップはテストと重なった理系組や教育実習組が欠場し、控え登録枠に空白ができる苦しい台所事情になった。大西はそうした一戦でキャプテンマークを巻き、関東3部の国際武道大と対峙。互いにロングボール戦術を特長とする一戦で冷静な守備対応を見せ、ビハインドの試合終盤には前線に入ってパワープレー加勢で存在感を示すなど奮闘した。ただ0-2の敗戦に終わり、「僕らの実力不足」と素直に結果を受け止めた。
ただ昇格組として臨んでいる東京・神奈川1部では中位に位置しており、「想像していたより勝ち点を拾えているので、雰囲気としては悪くないかなと思います」。大西はその上で「負けが続いてしまう時期だったりはどうしてもあると思うので、そういったときに自分たち首脳陣がどういった雰囲気で練習に取り組むかなどで後半戦の勝ち点の積み上げに繋がってくる」と力を込め、「先陣を切って良い雰囲気で活動に取り組めれば」と決意を語った。
「サッカー自体から一度離れて、やってみてやっぱり楽しいなというのはある」。大西はそのように高校卒業からここまでを総括しながら、大学卒業後にプレーを続けていくことも選択肢の一つになった様子。静岡学園時代の同期が各大学で活躍する姿も刺激に、これからも全力でサッカーに取り組み続けていく。
(取材・文 加藤直岐)
●第99回関東大学リーグ特集
▶お笑いコンビ・ヤーレンズのサッカー番組がスタート!
高校でやりきったはずの選手人生。横浜国立大DF大西遼久(3年=静岡学園高)は完全にボールから離れた1年を経て、サッカーの楽しさを改めて感じながらピッチに立っている。
大西は名門の静岡学園高出身。Aチームに絡めたのは新人戦の序盤のみだったといい、最後の1年間もBチームで過ごした。それでも最後までBチームの試合を戦い抜き、「サッカーに一区切りをつける」決断を下した。卒業後は1年間の浪人期間に入り、すでに“現役引退”を決めていたため「1回もボールを触らなくて」と大西。当然サッカー部への入部可否は考慮せず、大学受験を経て横浜国立大への進学が決まった。
ところが入学後、横浜国立大の体育会サッカー部が真剣にサッカーに取り組む環境でありつつ、「セレクションは一切なくて、サッカー推薦もゼロ。基本的には勉強を頑張って入ってきた人の中から希望すれば誰でも入れる」ことを知る。加えて学生主体で運営していることに大きな魅力を感じ、もう一度サッカーに熱中していくことを決めた。
「高校のときまではサッカーをやっていればOKというような環境だった。(横浜国立大は)ピッチ内のことだけじゃなくて、ピッチ外のSNSの運用だったりスポンサーを獲得していく活動だったりと社会に出てからすごい役立つようなこと、貴重な経験もさせてもらえるので、そういうところでサッカー部に入ろうかなと思いました。あと、やるならやっぱり本気でやりたかったというのもあります」
もっとも1年間のブランクは大きかった。「4月に練習参加したときはシュートを打つだけで足が攣りそうになったり、走れないし、ボールが硬すぎて足の甲にあざができたり」と高校時代では考えられないような状態。そうしたコンディションは半年程度続いたというが徐々に本来の動きを取り戻し、昨年は大学リーグ東京・神奈川1部昇格に貢献した。
3年生になった今季は「首脳学年」と称される中心の立場に。大西は学生主体のチームで副キャプテンに就任し、「マネジメントもあったりして自分のプレーだけ良ければいい状態ではないので大変なこともあるんですけど、その分やりがいも感じながら貴重な体験をさせてもらっている」と充実ぶりを示した。
5日のアミノバイタルカップはテストと重なった理系組や教育実習組が欠場し、控え登録枠に空白ができる苦しい台所事情になった。大西はそうした一戦でキャプテンマークを巻き、関東3部の国際武道大と対峙。互いにロングボール戦術を特長とする一戦で冷静な守備対応を見せ、ビハインドの試合終盤には前線に入ってパワープレー加勢で存在感を示すなど奮闘した。ただ0-2の敗戦に終わり、「僕らの実力不足」と素直に結果を受け止めた。
ただ昇格組として臨んでいる東京・神奈川1部では中位に位置しており、「想像していたより勝ち点を拾えているので、雰囲気としては悪くないかなと思います」。大西はその上で「負けが続いてしまう時期だったりはどうしてもあると思うので、そういったときに自分たち首脳陣がどういった雰囲気で練習に取り組むかなどで後半戦の勝ち点の積み上げに繋がってくる」と力を込め、「先陣を切って良い雰囲気で活動に取り組めれば」と決意を語った。
「サッカー自体から一度離れて、やってみてやっぱり楽しいなというのはある」。大西はそのように高校卒業からここまでを総括しながら、大学卒業後にプレーを続けていくことも選択肢の一つになった様子。静岡学園時代の同期が各大学で活躍する姿も刺激に、これからも全力でサッカーに取り組み続けていく。
(取材・文 加藤直岐)
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