beacon

スーパークリアのダビド・ルイス 「これで貸し借りはなしさ」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[6.30 コンフェデレーションズ杯決勝 ブラジル3-0スペイン リオデジャネイロ]

 起死回生のスーパークリアだった。ブラジルの1点リードで迎えた前半41分、スペインはMFフアン・マタのスルーパスに抜け出したFWペドロ・ロドリゲスがGKとの1対1から左足でシュート。ボールはGKジュリオ・セザールの横を抜け、同点ゴールかと思われたが、必死に戻ったDFダビド・ルイスが滑り込みながら体を精一杯伸ばし、ゴールラインぎりぎりで右足でボールを跳ね上げるようにゴール上へかき出した。

 徐々にスペインが流れを引き寄せていた時間帯。ここで1-1の同点になっていれば、試合はどう転んでいたか分からなかった。ブラジルは直後の前半44分にFWネイマールが追加点。守備陣の奮闘にエースが応え、優勝を大きく手繰り寄せた。

「前の試合でジュリオ(・セザール)に一つ借りがあったからね」。ウルグアイとの準決勝。前半13分、相手CKの場面でダビド・ルイスがDFディエゴ・ルガーノを押し倒し、PKを献上した。絶体絶命のピンチを救ったのがジュリオ・セザールだった。FWディエゴ・フォルランのキックを横っ飛びで弾き、先制点を許さず。結果、2-1でブラジルが決勝への切符を手にした。

「『借りは返す』と彼に言っていたんだ。これで貸し借りはなしさ」。そう笑ったダビド・ルイスはグループリーグ第2戦のメキシコ戦でチームメイトと激突し、鼻骨を骨折した。それでもメキシコ戦は90分フル出場。グループリーグ最終戦のイタリア戦では左足首を痛めて前半34分に途中交代するアクシデントにも見舞われたが、中3日の準決勝でフル出場を果たし、決勝でも完封勝利に貢献した。

「鼻は水曜日(3日)に手術を受けるよ。もう自分で調整して、(折れていることを)楽しんでいるけどね」。そう冗談めかして語ったCBは「このユニフォームを着るのはとても名誉なことなんだ。僕は子供のころからずっと夢見ていた。人々に喜びを与えたい。僕の思いはそれだけだよ」と、自国開催の大会でサポーターと喜びを分かち合えたことに感無量の表情だった。

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
コンフェデレーションズ杯2013特集

TOP