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中国の“爆買い”に歯止めか…外国人枠制限で多くの有名選手に影響が出る可能性も

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MFオスカルはリーグ史上最高額の移籍金6000万ポンド(約86.5億円)で上海上港に加入した

 中国サッカー協会(CFA)は20日、今夏の移籍市場において“爆買い”に関する新たな規定を設けたことを発表した。利益をあげていないサッカークラブに対し、新しく選手を獲得するのに2倍の金額を支払わなければならないという、過去に例を見ないほど厳しいルールが科されたことが明らかになった。

 米経済誌『ブルームバーグ』によると、4500万元(約7億3000万円)以上を外国人選手に費やしているクラブ、もしくは国内選手に対し2000万元(約3億3000万円)を費やしているクラブは、全国サッカー育成基金に相当額を払わなければいけないという規定が設けられた。先月、CFAは規制を加えることを公表していたが、今回は罰則が数値化された形だ。

 中国の胡錦濤前国家主席は2025年までに、7400億ドル(約82兆円)のスポーツ経済大国を作ろうとしている。この流れを受けて、主要な私営企業ならびに国営企業のスポンサーを持つサッカーチームは大金をつぎ込み、欧州で活躍する選手や監督の“爆買い”を敢行した。

 しかし国営通信社の新華社通信によると、16年シーズン、中国スーパーリーグは有名外国人選手を獲得するのに約30億元(約500億円)を費やしたが、リーグ全体の収入はその半数程度にとどまっており、正常なクラブ経営とはいえない状況にある。

 今回の規制はそうした騒動を抑制するためのものになるとみられる。対象となるのは「利益をあげていないサッカークラブ」ということだが、ほとんどのクラブが該当しているという。CFAは「短期的なパフォーマンスを追求し、高額で選手を紹介する現在のプロサッカークラブの傾向を抑えるため」と説明しているという。

 また外国人保有枠にも制限がかけられた模様だ。これは現在、W杯最終予選を戦いながらもグループ最下位に沈む中国代表への危機感によるもので、23名の保有選手のうち、外国人選手は3名のみに限定されることから、中国に渡った多くの選手に影響が出るものとみられる。

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