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現U-19日本代表で初の“飛び級”…東京Vユース16歳MF山本理仁「プリンスは全勝が目標」

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中盤で存在感を放った東京VユースMF山本理仁(1年)

[2.11 東京都クラブユース選手権決勝 三菱養和SCユース 2-0 東京Vユース 味フィ西]

 2019年のU-20W杯を目指す世代別代表で、初の“飛び級”候補となっているレフティーが、新シーズン最初の公式大会で存在感を見せた。16歳ながらU-19代表に選出された東京ヴェルディユースMF山本理仁(1年)は三菱養和SCユースとの都大会決勝、中盤を幅広く動き回って高いボールキープの質を披露。試合後には「年代が上の代表にもっと食い込んでいきたい」と意欲を口にした。

 山本は今年1月、スペイン遠征を行うU-19日本代表に初参加。10~11月のU-19アジア予選、来年のU-20W杯を目指す同代表は1999年生まれ以降の選手が対象となっており、2001年生まれでは初めての選出となった。U-20W杯は2年に1回行われるため、山本は2021年大会の出場資格も保持。もし予選と本大会に選ばれれば、前回大会のFW久保建英(同じ01年生まれ)らに続く“飛び級”出場となる。

「トップの強度が分かった。アプローチの早さ、ダイレクトではがすところ、ファーストタッチの置く位置に違いを感じた」。スペイン遠征では優勝決定戦となった第3戦のU-19スペイン戦に終盤から出場し、トップレベルとの差を実感した。それでも、2~3歳上の相手だと割り切ることなく、「この代では自分が違いを作らないといけないし、練習から改善していきたい」と意気込んでいる。

 そんな前向きな気持ちは、新シーズン初めての公式戦となった東京都クラブユース選手権決勝でも表れていた。アンカーで先発した背番号27は積極的にボールに絡むと、力強い相手のプレッシングに負けずボールをキープ。「激しさも、走力も相手が上回っていた」という劣勢の中で、精度の高い左足キックでチャンスメークも担った。

 しかし、結果は0-2の敗戦となり、3年ぶりの優勝はならなかった。試合後には「後半は良いサッカーができたが、前半の立ち上がりからうまくいかなかった。これではプリンスリーグでも厳しくなる」と冷静な言葉。まだチームの立ち上げ中とはいえ、同じプリンスリーグ関東所属の相手に敗れたことを問題視していた。

 敗因となったのは「ピッチ内で判断できていない」ことだと分析。序盤は相手の2トップに対して2人のセンターバックでビルドアップする形が続き、数的優位がつくれずに攻撃が停滞する場面も。ハーフタイム後は修正できたというが、「監督に言われて変えるのではなく、自分たちで気付くべきだった」と振り返った。

 永井秀樹監督も「もっと相手と相談しながらサッカーができればよかった。言われて初めて分かるんじゃなく、相談してサッカーできないと」と同様の指摘。一方、三菱養和SCユースの選手たちは「相手がしつこくつないできたので、自分たちの判断でプレスラインを下げた」と口をそろえ、対照的な構図となっていた。

 この敗戦の悔しさは、1か月半後に控えるリーグ戦で晴らすしかない。公式発表はされていないが、開幕戦は同カードとなる予定。「プリンスリーグは全勝が目標」と意気込む山本は「自分は攻撃が得意だと思っているので、シュートの質、ラストパスでも脅威になるプレーをしたい」と目に見える“結果”も追い求めようとしている。

(取材・文 竹内達也)

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