[8.12 スペインスーパー杯 セビージャ1-2バルセロナ]

　2018-19シーズンのリーガ・エスパニョーラ開幕を告げるスペインスーパー杯は12日、史上初めてスペイン国外のモロッコで行われた。コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)準優勝のセビージャと昨季リーガ、コパの2冠覇者に輝いたバルセロナが対戦。バルセロナが2-1で逆転勝利を挙げ、2年ぶり13回目の大会制覇を果たした。

　本来はホーム&アウェー方式で行われていたはずのスペインスーパー杯だが、セビージャがUEFAヨーロッパリーグ(EL)予選2回戦に出場し、バルセロナが国外ツアーの日程を譲歩しなかったためスケジュールが難航。今回は緊急措置として中立地での一発勝負で実施することになり、開催地には史上初めての国外会場となるモロッコが選ばれた。

　ホーム扱いのセビージャは後ろ比重の3-4-3で、新加入選手2人が先発に入った。最後尾をGKトマーシュ・バツリク(←バーゼル)が固め、3バックは右からDFガブリエル・メルカド、DFシモン・ケアー、DFセルジ・ゴメス(←セルタ)。中盤は右からMFヘスス・ナバス、MFエベル・バネガ、MFロケ・メサ、DFセルヒオ・エスクデロが入り、3トップには右からMFパブロ・サラビア、FWルイス・ムリエル、MFフランコ・バスケスが並んだ。

　アウェー扱いのバルセロナはアンカー式の4-3-3で、今夏に獲得した選手2人がスタメンを勝ち取った。ゴールをGKアンドレ・テア・シュテーゲンが守り、4バックは右からDFネウソン・セメド、DFジェラール・ピケ、DFクレマン・ラングレ(←セビージャ)、DFジョルディ・アルバ。アンカーにはMFセルヒオ・ブスケツ、2列目にはFWリオネル・メッシとMFアルトゥール(←グレミオ)が並んだ。3トップは頂点にFWルイス・スアレス。ウイングは左にFWウスマン・デンベレ、右にMFラフィーニャが入った。

　立ち上がりからボールを握ったのはバルセロナだったが、5バックのようなシステムで構えるセビージャ守備陣をなかなか崩せない。すると前半10分、セビージャは自陣からのクサビのパスが相手に当たって流れ、ムリエルが中央を単独突破。フェイントを交えながら右に出すと、最終ラインギリギリで抜け出したサラビアがダイレクトで決めた。

　主審はここでいったんビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の確認を仰いだが、オフサイドはないと判断され、ゴールは認められた。その後もバルセロナが主導権を握り、メッシやスアレス、J・アルバが相手の守備陣形を突き破りにかかったが、シュートがバツリクに防がれるなどし、なかなかゴールを割ることができなかった。

　それでも前半41分、バルセロナはゴール前20m弱の位置でFKを獲得する。ここでキッカーはメッシ。うまく壁の間を突いたシュートはゴール右隅を突くも、バツリクがわずかに触って右ポストに当たった。だが、このこぼれ球をゴール前に走り込んでいたピケがダイレクトで蹴り込むと、ここでもVARの判断でゴールが認められ、同点に追いついた状態で前半を終わらせた。

　バルセロナはハーフタイムにラフィーニャに代えてMFイバン・ラキティッチを投入すると、後半7分にはヴィッセル神戸に移籍したMFアンドレス・イニエスタから8番を受け継いだアルトゥールに代わってMFフィリペ・コウチーニョを入れた。立ち上がりはミドルパスを効果的に使ったセビージャがカウンターを見せる場面が相次いだ一方、バルセロナも長いパスを使った鋭い攻撃が目立った。

　セビージャは後半15分、ムリエルに代わってミランからローン移籍してきたFWアンドレ・シウバが新天地デビュー。同31分にはバルセロナから来たDFアレイクス・ビダルが送り出された。バルセロナは同32分、メッシのスルーパスでつくったチャンスからスアレス、メッシが立て続けに1対1でのシュートを狙うも、バツリクがいずれもスーパーセーブを見せた。

　だが直後の後半33分、バルセロナが誇るフランス代表アタッカーのスーパーミドルが試合の均衡を破った。ゴール前やや右寄りのPA外でパスを受けたO・デンベレはツータッチでゴール方向に持ち出すと、力強く右足を一閃。真っ直ぐに鋭く放ったシュートがゴール左上に突き刺さり、バルセロナが逆転に成功した。

　バルセロナは後半40分、MFアルトゥーロ・ビダル(←バイエルン)を入れて時間を使う。ところがこのまま試合が終わるかと思われた同45分、PA内でテア・シュテーゲンと途中出場FWウィサム・ベン・イェデルが交錯してセビージャにPKが与えられる。しかし、ベン・イェデルのPKはテア・シュテーゲンがストップ。このまま試合は終わり、バルセロナが辛くも2年ぶりの戴冠を果たした。

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●リーガ・エスパニョーラ2018-19特集