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トッティ氏が語るローマの中田英寿氏「彼は火星人。スクデットの歓喜の中でも読書」

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 ローマのレジェンドであるフランチェスコ・トッティ氏が、自伝本『ウン・カピターノ(主将)』の中でかつて同僚だった元日本代表の中田英寿氏について語っている。

 中田氏は、ペルージャを経て2000年1月にトッティ氏が所属していたローマに加入した。翌シーズンにはユベントス戦(2-2)でスクデットを呼び込むゴールを決め、日本人初となるセリエA制覇を成し遂げたが、元ローマの主将は当時を回想した。

「ナカタの所へ駆け寄り、ハグをしてキスした。すでに皆も駆け寄った後だったけど、彼はいつもの穏やかな笑みを浮かべていて、やや構えているようだった。私は耳元で『君は最高だよ、ヒデ!』と何度も叫んだ。最後に彼はこちらを向くと、『グラッツィエ!』と大声で答えてくれた。それから彼は立ち去って行ったが、スクデットに値するゴールが決まった直後、興奮した選手たちに体を触られて少し嫌だったのではないかと思う」


「ナカタは1番にロッカールームへと消えていったが、存在感を消した宇宙人のようであり、礼儀正しいが、淡泊で物静かだった。僕らと一緒にいながらも誰も侵入することのできない自分の世界も持っていた」

 またトッティ氏は、ロッカールーム内において、チームメートたちがスクデット獲得に歓喜する中、中田氏の行動には驚かされたと明かしている。

「皆と一緒に歌ったり、踊ったり、乾杯したりしていた。その時、ナカタには呆気にとられたけど楽しませてもらったよ。彼はあのカオスの中で、隅に座って本を読んでいたんだ。火星人だよ」

 2006年ドイツ・ワールドカップを最後に29歳で現役引退を決断した中田氏だが、トッティ氏は直接本人から早期引退の可能性を聞かされていた。

「言葉を交わした回数は少なかったが、『僕は他にもやりたいことがあるので、早めに引退するつもりだ』と言っていたが、まさにその通りになった。だから今でも覚えている」

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