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監督が失点を指示…英2部でまさかの昇格失敗劇「イギリスではよくあること」

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乱闘に発展したリーズ対アストン・ビラ

 来季のプレミアリーグ昇格を争うイングリッシュ・フットボール・リーグ・チャンピオンシップ(英2部相当)で28日、先制ゴールを奪ったチームの監督がその直後、相手チームに同点ゴールをプレゼントするという珍事が起きた。イギリス紙『ガーディアン』が報じている。

 事案が起きたのは第45節のリーズ・ユナイテッド対アストン・ビラ戦。互いに2試合を残し、それぞれ3位と5位につける上位同士の対戦だ。チャンピオンシップでは2位以内が自動昇格、6位以内が昇格プレーオフに参入するレギュレーションのため、いずれも来季のプレミアリーグに手が届く位置にあった。

 先に得点を奪ったのはホームのリーズだった。後半27分、DFリアム・クーパーが相手FWに対するタックルでボールを奪うと、その場でFWは負傷。だが、プレーの中断を求めるアストン・ビラ守備陣を尻目に敵陣へ侵攻すると、左サイドでボールを受けたMFマテウス・クリッチがカットインからゴールに流し込んだ。

 これに激怒したのはアストン・ビラのMFアンワル・エル・ガジ。プレーを中断しなかったクリッチに一目散に駆け寄ると、胸のあたりを小突いて押し倒した。その後、両チームの選手たちが取っ組み合う乱闘に発展。エル・ガジには主審からレッドカードが提示された。

 ところが、ここでもう一人怒っていたのがリーズのマルセロ・ビエルサ監督だった。激しいジェスチャーでメッセージを送ると、リーズの選手たちはキックオフしても微動だにせず。後半29分、ドリブルで駆け上がったアストン・ビラMFアルバート・アドマーが敵陣に攻め込み、ゆっくりと同点ゴールを流し込んだ。

 その後は数的優位のリーズが優勢を保ったが、戸惑いもあったのか1-1でタイムアップ。試合後、リーズのビエルサ監督は「われわれはゴールを返した。イギリスのフットボールはスポーツマンシップで知られており、これ以上何も言う必要はないだろう。イギリスではよくあることだ」と述べ、選手たちに失点を命じたことを認めている。

 ちなみにこの結果によって、3位のリーズは2位浮上の可能性が消滅。それに伴い、2位のシェフィールド・ユナイテッドが来季プレミアリーグ昇格の権利を正式に得た。また5位のアストン・ビラも今季の6位以内が決定しており、新たな因縁が誕生したリーズとアストン・ビラは5月に行われる昇格プレーオフで対戦する可能性がある。

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