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「とんでもないことだった」ベルギー代表MFが中国から欧州へ戻ってきたワケ

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アクセル・ビツェルが中国での出来事について語った

 ドルトムントベルギー代表MFアクセル・ビツェルが『Goal』の独占インタビューに応じ、中国への移籍などについて語っている。

 2008年からベルギー代表でプレーするビツェルだが、ドルトムント加入前まで欧州トップリーグでの経験はなし。加えて、2017年には「お金のため」と公言し、中国の天津権健へと移籍した。ビツェルは当時について「断るわけにはいかないオファーだった」と話す。

「その頃所属していたゼニトとの契約が終わって、僕はユベントスへ移りたいと思っていた。すでにメディカルチェックもパスして、あとは契約書にサインさえすればいいところまで来ていた。それなのに一日中事務所で待っていた挙句に聞かされたのは、またゼニトに戻らなければならないという知らせだった。その後で中国へ行くチャンスが生まれて、僕はそのチャンスを利用する決心をしたんだ」

 しかし、金のための移籍だったとしてビツェルのみならず、ベルギー国内では家族にまで非難が届くように。さらに、ビツェルが欧州へ戻ることを決断したのは、娘の身に起きた出来事だった。

「突然娘のマイ・リが腹痛を訴えたから、娘を連れて天津にある外国人のための病院へ行ったんだ。娘は神経ブロックをしてもらうことになったんだが、そこの病院には処置に必要な機器がなかった。僕は2つの選択肢のどちらかを選ばなければならなかった。天津の中国人のための病院に行くか、車で2時間かかる北京の外国人のための病院に行くか。けれど、非常に危険なことになる可能性があったから、北京へ行く時間はなかった。だから僕は小さな中国人のための病院へ行ったんだ。そこには想像もできないくらい大勢の患者が来ていた。まずチケットを取って順番待ちをしなければならなかった。まるで役所でやるようにね。僕にすればまったくとんでもないことだったよ」

 結局はこの一件が決め手となり、妻と相談して欧州へ戻ることを決めたビツェル。後に「お金は大事だけど」と前置きしつつ、「お金は必ずしも幸福や喜びを運んでくれるわけじゃないんだ」と語っている。

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