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同僚には「まだ話していませんけど…」長谷部、CL出場権争いで後手に回るもプレッシャーを感じない理由とは

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豊富な経験を持つMF長谷部誠

 フランクフルトに所属する元日本代表MF長谷部誠が地元紙『フランクフルター・ルンドシャウ』のインタビューに応じ、来季UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)出場を懸けた今季残り2試合に向けた思いを語った。

 アディ・ヒュッター監督の今季限りでの退任が発表されてから、フランクフルトは4試合で4ポイントと失速。一時は5位ドルトムントに7ポイントの差をつけ、CL出場権の獲得に迫っていたが、9日に行われた前節マインツとのダービーを1-1で引き分けたため、リーグ戦5連勝と絶好調のドルトムントに追い抜かれ、5位に転落。勝ち点差は「1」とはいえ、クラブ史上初のCL出場を自力で勝ち取れない状況となった。

 インタビューではやはり監督人事が選手たちのメンタルに影響したかと問われた長谷部だが、「多くの人たちがそう考えていることは知っています」と返答。「理解できます。でも、あなたたちに話したいことがあります」と前置きすると、このように語った。

「自分はこういった状況を過去に2度経験しました。2018年、ニコ・コバチがここフランクフルトにいたころ、そして2009年、フェリックス・マガトがいたころのボルフスブルクで。2人ともクラブを去ることが決まっていました」

「それから何が起きたのか?僕たちはニコとともにDFBポカールを制し、マガトとはリーグを優勝しました。つまり2回とも非常に素晴らしいものを成し遂げたのです。自分はアイントラハトとは3回目にそれを達成したい。CL出場権を得られれば、それはタイトルの獲得と同じようなことですからね」

 チームメイトたちにはその話は「まだしていませんけど、自分にとって大事なことなので必ず彼らと話したいと思います」と明かす長谷部。「目標を達成するかは意志(の強さ)にもよります。2009年や2018年にはそれがありました。そのようなメンタルは僕らの現在のチームにもあると思います」と強調した。

 ヒュッター監督の退任を伝えられてから、監督とチームの関係、あるいは監督自身が変わったか、との質問に長谷部は「いいえ、何ひとつ変わってないです」と否定。「みんなクラブのために働き、アイントラハト・フランクフルトのためにプレーしています。それこそが主題だし、それだけのことです。監督や幹部、スポーツディレクターのためではなく、クラブのためにプレーします。サポーターを抱えるクラブはほかの何よりも大きな存在です」とも続けている。

「監督はここでの3年間素晴らしい仕事をしています。ここで築き上げられたすべてを壊してはいけない。様々な意見、見方すべてを理解できますが、もうそういうのは大事ではありません。今大事なのは、一緒になってクラブのためにすべてを尽くすことです。2つの要素、落ち着きと熱意が大事です。落ち着きをもって、チームとして一丸となり、一緒になって団結力を見せ、そしてピッチにはもっと熱意を持ち込むべきです」

 同僚のオーストリア代表DFマルティン・ヒンターエッガーは先日、「CL(出場権)を勝ち取るのではなく、失う気持ちの方が強くなってしまっている」と言及。チームにとって、のしかかってくるプレッシャーが大きくなりすぎるのだろうか。

「個人的にはプレッシャーはまったく感じていません。当時、アイントラハトとともに入れ替えプレーオフをプレーすることになったときにはプレッシャーがありました。今の自分たちの立ち位置には幸せを感じます。もちろんCL出場は夢ですし、逃せば失望するでしょう。ですが、CL出場権を争えるという状況は、自分をすごくハッピーな気持ちにさせます。だから自分に関してはプレッシャーはないです。みんなそれぞれなので、もちろんヒンティ(ヒンターエッガーの愛称)がそう感じるのは彼の自由だと思いますけどね」

 ヘルタ・ベルリンへと去る強化担当のフレディ・ボビッチ執行役員の後任は現ライプツィヒのマルクス・クレシェSDに決まったフランクフルトだが、ボルシアMG指揮官に内定したヒュッター監督の後任は未定。「新監督に関して何かを期待しているか、それとも今はそういったことに関心はないか?」と問われた長谷部は「関心ないことはないが、今はとにかくこれからの2試合に集中します。競技面の幹部はもう決まったし、監督ももうすぐ決まるでしょう」とコメントしつつ「自分より年上だといいですね(笑)」と注文を1つだけ口にしていた。

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