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「優勝したいと決意が固まったんだ」、強者イタリアに勢いを与えた仲間の大怪我と涙

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味方に勇気を与えたDFレオナルド・スピナッツォーラの負傷

 イタリア代表の53年ぶり2度目の優勝で幕を閉じたEURO2020。前評判通りの強さだけではなく、トーナメントでは粘り強さと勝利への意地を見せた。ロベルト・マンチーニ監督は、その理由のひとつに大会途中で負傷により離脱したDFレオナルド・スピナッツォーラの存在を明かしている。『RAI 1』の大会舞台裏ドキュメンタリーの内容を『フットボールイタリア』が伝えた。

 スピナッツォーラは大会序盤で大活躍。グループリーグ初戦でマン・オブ・ザ・マッチに輝くと、決勝トーナメント1回戦・オーストリア戦でも2度目のマン・オブ・ザ・マッチを獲得した。しかし、準々決勝・ベルギー戦で左サイドを駆け上がる際に負傷。自身の怪我の具合を把握して涙を流していたが、診断の結果、アキレス腱の断裂で最長全治9か月と判明していた。

 苦楽をともにした仲間の離脱に、チームメイトは悲しみに暮れた。マンチーニ監督は「スピナはEUROで最高のフルバックであり、強さ、ペース、テクニックにおいてお手本となる選手だったんだ」と思いを馳せる。「我々にとって困難な瞬間になった。だが、彼のために、EUROで優勝したいとさらに決意が固まったんだ」と優勝への思いを口にした。

 イタリアは準決勝・スペイン戦、決勝・イングランド戦で死闘を演じる。劣勢となる場面もあったが、最後まで諦めず、120分間を戦い抜いて2試合ともにPK戦で決着をつけた。そして53年ぶりの戴冠。「松葉づえでトロフィーを持ち上げに行こう」というスピナッツォーラの言葉を、仲間たちが叶えてみせた。

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