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「人一倍、二倍努力したい」チェイス・アンリが入団会見。日本人選手輝くシュツットガルトで飛躍へ

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尚志高からドイツへ。シュツットガルトへ加入するU-21日本代表CBチェイス・アンリ(左)と尚志高の恩師・仲村浩二監督

 逸材CBがドイツでの飛躍を誓う――。U-21日本代表CBチェイス・アンリが8日、今年3月に卒業した尚志高(福島県郡山市)で開催されたドイツ・シュツットガルト入団会見に出席。「人一倍、二倍努力したい。これから、死ぬほど努力していきたい」と意気込みを語った。

 会見にはアンリのほか、尚志の倉又晴男校長、同男子サッカー部の仲村浩二監督、アンリの父・レジナルドさん、母・恵美さんが出席。加えて、シュツットガルトのスベン・ミスリンタートスポーツディレクター(SD)がドイツからオンライン参加した。

 アンリは、当時15歳だった20年2月にU-17日本代表へ初選出されると、空中戦での圧巻の強さと相手をねじ伏せるような守備などで評価を高め、今年は高校生ながら日本代表のトレーニングパートナー、またU-21日本代表のUAE遠征メンバーに選出されている期待の逸材だ。

 卒業後の進路が注目されていたが、シュツットガルトと今年7月1日からの複数年契約を締結。当初はU-21チームからのスタートになる模様だ。スベンSDはそのアンリについて、「背が高くて上手く動くことができるし、パスが素晴らしい。世界中のアンリ選手と同じ年の人の中で、アンリ選手は上の方に入っていると思います。性格が良くて、賢い。いつ完全なプロになるかは言えないけれど、絶対になると確信しています」と期待する。

 シュツットガルトはチームにとって欠かせない存在のMF遠藤航、今季ブレイクして先発に定着したDF伊藤洋輝に続く、日本人選手の獲得。ドルトムント時代にMF香川真司を見出した実績も持つスベン氏は、日本人選手の評価について「(日本人選手は)頑張り屋さんで毎日一生懸命練習する、そしてテクニカルスキルが凄いと思います」と説明し、アンリには「色々なことができるが、成長するためには細かなところを調整していかなければならない。(これからポジショニングで)どこに立てば良いとか、このチームはどのようなことを狙って、動いているか習わないといけない。チームの(システムや)戦術を学ばないといけない」と求めた。

 高い評価を得て欧州へ挑戦するアンリは、シュツットガルトを選んだ理由について、「自分が練習参加した時に環境、施設の良さを感じました。また、自分の技術的な部分が全然足りないことを実感して、シュツットガルトは技術面を上げる練習もしていて、ここで上手くなれるんじゃないかなと思って選びました」とコメント。そして、「遠藤航君もいて、学ばないといけないと思いました。(遠藤からは)『こっち来なよ』、みたいな。(海外を)『すぐ経験した方が良い』みたいな感じで言ってくれました」と、先輩たちから活躍するための術を学ぶことを誓った。

 アンリの成長を後押ししてきた仲村監督は、「言われたことを100%する。素直な心があるので、言われたことを一生懸命取り組んでくれた」とその姿勢を評価する。その姿勢があったからこその現在だ。

 中学1年生で本格的にサッカーを始めたアンリは、自分の実力不足で何度も悔しい思いをしてきたという。それでも、ピッチ内外で人一倍努力を続けて高卒で「強度が高いし、前に行くなど自分のプレースタイルに合っているし、そういうところが好きです」と語っていたドイツへ。今月半ばにはドイツへ渡り、シュツットガルトでのトレーニングを開始するという。目標とする世界一のCB、「ファン・ダイクを超えるような」CBへ。“怪物CB”がシュツットガルトで新たな一歩を踏み出す。

(取材・文 吉田太郎)
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