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「昔はトッティやデル・ピエロら才能が同時にイタリアで誕生したが今は…」名将リッピ氏が持論

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マルチェロ・リッピ

 元イタリア代表指揮官のマルチェロ・リッピ氏が11日、故郷ビアレッジョ市内で行われたイベントの席でインタビューに応じて持論を展開した。イタリアメディア『メディアセット』が伝えている。

 過去にユベントスでスクデットやチャンピオンズリーグなど数々のタイトルを手にしてきたほか、2006年にはイタリア代表指揮官として世界の頂点に立った名将リッピ氏。イタリア代表が3月、カタール・ワールドカップ(W杯)欧州予選プレーオフで北マケドニアに敗れて2大会連続で出場権を逃した直後、教え子のファビオ・カンナバーロ氏の補佐役としてコンビで後任候補に挙がった。

 だが、すでに隠居生活を送るトスカーナ人指揮官は、現場復帰を否定。「私は自分のキャリアに満足している。これまでも言ってきたが、私は2年前に引退し、今後、活動を再開するつもりはない」と断言した。

 一方、欧州王者でもあるアッズーリのW杯予選敗退には驚きを隠せていない。

「私もすべてのイタリア人と同じことを感じた。誰も北マケドニアに負けるなどと考えていなかったので非常に残念であり、大きな失望だった。イタリアはここ2、3年にわたって素晴らしいカルチョを見せ、EURO(ユーロ)2020優勝など成績も残してきた。そのチームがW杯に出場できないことに誰もが驚いたはずだ。そのうえ、2大会連続での予選敗退など大きな失望で大きな驚きだ」

 リッピ氏は近年のセリエAの衰退を嘆きつつ、過去にイタリアがフランチェスコ・トッティやアレッサンドロ・デル・ピエロなどのスター選手を同時期に輩出したことを振り返り、偉大なイタリア人選手が今存在しないのは、偶然であるとも主張した。

「イタリアのカルチョは外国人選手ばかりで、輝かしいとは言えない状況にある。私が代表指揮官を務めていた頃はイタリア人選手の割合が60~65%程度で、残りが外国人選手だった。これが現在は逆転している。外国人選手が65~70%ほどで、イタリア人選手は3割ほどしかいない。こんな状況ではあるが、誰もが北マケドニア戦での勝利を期待していた」

「改革の必要性? 毎日のように新聞では解決策が論じられている。だが、私はこの状況に偶然の要素もかなりあると考える。20~30年ほど前は外国人選手も多かった。それでも偶然、トッティやデル・ピエロ、(ビンチェンツォ)モンテッラといった才能ある選手が同時に誕生した。だが、現在は偉大なイタリア人選手が存在しない。だからと言って北マケドニアに負けて良いわけではない」

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