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まさかの得点取り消しに…「史上最悪の判定」プレミアで2つの“誤審疑惑“

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判定に抗議するウエスト・ハムの選手たち

 プレミアリーグの審判員を統括する組織であるPGMOLは4日、第6節で発生した2つの得点取り消し判定について判定プロセスの検証を行うとした。英『BBC』など現地複数のメディアが報じている。

 対象となる判定のうち1つは、チェルシーウエスト・ハムの後半45分のシーン。ウエスト・ハムFWマックスウェル・コルネがゴールネットを揺らし一時は得点が認められたが、VARからの推奨を受けたアンディ・マドレー主審が映像を確認した結果、ウエスト・ハムFWジャロッド・ボーウェンが直前にチェルシーGKエドゥアール・メンディの上半身に足を接触したことでファウルと判定され得点は取り消された。

 この判定に対し、接触はプレーの流れによる自然な接触であり強度も強いものではないとし、得点を認めるべきだという意見が噴出した。ウエスト・ハムMFデクラン・ライスは試合後に自身のツイッターで「VARが導入されて以降最悪の判定だ」とツイートしており、当事者の中でも受け入れられない判定だと捉えられているようだ。

 2つ目の事象は、ニューカッスルクリスタル・パレスの後半6分のシーン。ニューカッスルが獲得したFKの流れから、クリスタル・パレスDFタイリック・ミッチェルのオウンゴールでニューカッスルの得点となった。しかし、このシーンでもVARが介入。ニューカッスルMFジョー・ウィロックが相手GKに対するファウルをしたと判定され、得点が取り消された。

 このシーンではウィロックがミッチェルに押された影響を受けてGKに接触しているため、判定の妥当性を問う意見が多く見られた。

 これら2つの判定に関して、リーグ側はPGMOLに判定を検証するよう要請した。PGMOLはこれを受け入れ、ともに誤った判定だと考えていると報じられている。

 プレミアリーグではVARが2019/20シーズンに導入されて以降、その運用が疑問視される判定が続出しており、ファンのVARに対する印象は年々悪化している。それは選手やクラブにとっても同様であり、PGMOLのトップを務めるマイク・ライリーの解任を求める意見があったという。詳細な時期は未定だが、実際にライリーはその座を降り、元プレミアリーグ審判員でW杯決勝などの担当経験があるハワード・ウェブが新たに審判委員長に就任することが決まっている。

 ウェブは昨シーズンまでアメリカでVARを統括する役割を担い、早期のVAR導入実現やYouTubeでのVAR音声公開など功績を残している。そのため彼に対する期待は高く、今回の判定検証は改革の1つだという見方もあるようだ。

 サッカーの中で1番の醍醐味である得点が、VARというテクノロジーの運用により無効となった今回の“誤審疑惑“。判定検証によりどのような発表や改善が行われるのか注目される。

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