beacon

ユベントス劇的弾はVAR介入でオフサイド…“オフサイドポジションではなかった疑惑”が大きな話題に

このエントリーをはてなブックマークに追加

オンフィールドレビューでオフサイドと判定された

 セリエAは11日に第6節を開催し、ユベントスサレルニターナと対戦した。2点のリードを許したユベントスだったが、後半にDFグレイソン・ブレーメルとDFレオナルド・ボヌッチが得点し2-2で引き分けた。

 ただ、ユベントスにとっては“勝ち点3を奪われた”試合だと大きな話題になっている。論争を巻き起こしたのは後半アディショナルタイムのシーン。CKをFWアルカディウシュ・ミリクが頭で合わせてゴールネットを揺らしたが、VARが介入し最終的にオフサイドと判定されたものだ。

 オフサイドの対象となったのは、ミリクのヘディングシュートに飛び込んだボヌッチ。彼はボールに触れなかったが、ゴールエリア内のボールの近くでヘディングする素振りをしたため、GKに影響を与えたと判断された。GKはボールを見送っており、この行為でのオフサイド成立に疑問の声が上がったが、オフサイドの判定は妥当という意見もあり、主審の判断は支持できるものだと見られていた。

 しかし、この判定では異なる部分に大きな問題があった。VARはPA内を映した映像でラインを生成しており、その映像を見るとボヌッチがオフサイドポジションにいたことは明確。だが、『Sky Italia』は試合後にVARが用いていない映像を使用し、ボヌッチがオフサイドポジションではないことを紹介した。

 同放送局が示した映像では、コーナーエリアの近くにサレルニターナMFアントニオ・カンドレーバがおり、独自の技術を用いると、ボヌッチよりカンドレーバの方が50cm以上ゴールラインに近いことが判明。また、中継カメラの反対サイドから観客が撮影したであろう画像がTwitterに投稿されており、ボヌッチはオフサイドポジションにいないように見える。

 つまり、これらの情報が正確なものであるならば、ミリクの劇的弾はVARの誤った認識で取り消されたこととなる。大きなスキャンダルになりうる今回の判定だが、元女子国際主審のクリスティーナ・アンケル氏は自身のTwitter(@ChristinaUnkel)で「VARは彼らが持っている映像しか使えない」と投稿し、判定に使用可能な映像ではカンドレーバが映されていなかった可能性を示唆した。実際に中継で流れた様々な映像はすべてゴール前にフォーカスされ、ミリクがヘディングした瞬間にカンドレーバの位置は把握できなかった。

 いずれにせよ、リーグや審判委員会はこの判定に対して調査を行うようだ。どのようなプロセスを経てオフサイドと判定されたのか、その透明性が期待される。


●セリエA2022-23特集

TOP