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イタリアでは”負傷したふり”作戦も登場…ラマダン中選手の栄養補給で各国リーグ対応分かれる

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オランダでは試合が中断された

 1日に行われたセリエA第28節・インテル対フィオレンティーナでは、MFソフィアン・アムラバトがバナナを食べる様子が中継映像に映って話題となった。

 1点リードの後半21分に投入されたアムラバトだが、イスラム教徒の同選手は現在日の出から日没まで飲食を行わない“ラマダン”の期間中。この試合は現地時間午後6時にキックオフされたため、試合開始時点では何も口にしていない状態だった。

 するとそれを見かねたチームメイトのDFルカ・ラニエリから救いの手。すでに日が沈んでいる後半アディショナルタイムに突如座り込み、負傷したように振る舞った。ドクターによる診察で試合が中断し、すかさずアムラバトはベンチへ向かい、チームスタッフからバナナと水を受け取って栄養補給。ラニエリは実際に負傷したわけではなく、断食期間中のアムラバトへの気遣いとして試合を止めるために治療を要請していたようだ。

 一連の出来事にはファンから称賛の声が上がった一方、リーグ側が配慮するべきだとする意見も出ている。

 この点はイタリアだけでなく様々な国籍の選手がプレーする欧州各リーグで重要なトピックとなっている。フランスでは断食期間中の選手のための試合中断を禁止する通達が3月31日に協会から発表され、パリSGファンなど各方面から批判の声が上がった。一方、オランダのエールディビジやイングランドのプレミアリーグなどではイスラム教徒の選手が水分や軽食を口にできるよう、数分間試合を中断する運用がされている。国ごとに方針は異なるが、多様性を尊重する上では主催者の配慮が求められそうだ。



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