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劇的昇格にビール浴びた指揮官、歓喜の裏にも笑顔がなかった理由「彼らに最大の敬意を払う」

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ビールかけサプライズも無表情

 劇的なブンデスリーガ昇格を成し遂げた歓喜の裏でも、指揮官はリスペクトの精神を大切にしていた。ハイデンハイムフランク・シュミット監督の振る舞いに称賛の声が相次いでいる。

 残る1つの自動昇格枠を2位ハイデンハイムと3位ハンブルガーSVが争った、28日のドイツ2部最終節。1ポイント差で上位につけるハイデンハイムはレーゲンスブルクに勝てば自力で昇格という有利な立場だったが、90分経過時点で1-2と苦しい展開に。一方のハンブルガーSVは敵地でザントハウゼンに1-0で勝利したため、このままだとハンブルガーSVが逆転昇格という状況だった。

 窮地に立たされたハイデンハイムだが、驚異的な巻き返しを見せる。後半アディショナルタイム3分にPKで追いつくと、後半アディショナルタイム9分に逆転に成功。誰もが驚くドラマチックな展開で自動昇格を果たした。

 初のブンデスリーガ昇格を果たしたハイデンハイムは、2位ダルムシュタットが敗れたため逆転リーグ優勝のご褒美もついてきた。試合後の記者会見でシュミット監督がシーズンを振り返る中、タイトル獲得を喜ぶ選手が会見上に乱入して指揮官へ盛大なビールかけをするサプライズを行った。

 微笑ましい光景かに思われたが、シュミット監督は無反応で笑顔も見せず。これは対戦相手への配慮だったという。

 実はハイデンハイムが劇的勝利で昇格を決めた一方、敗れたレーゲンスブルクは3部への降格が確定。両チームで明暗が分かれる中、シュミット監督は「レーゲンスブルクが降格したことを知っている。彼らに最大の敬意を払う」とコメントしつつ、選手の大騒ぎについて謝罪した。

 シュミット監督の対応に、ファンからは「素晴らしいスポーツマン」「紳士だ」といった反応が寄せられている。

 なおこの最終節では、先に試合を終えていたハンブルガーSVのスタジアムアナウンスで、ハイデンハイムが敗れたという“誤報”が流れたため、昇格を確信したファンがピッチへ大量乱入するという事例も発生していた。

 ところがその後、ハイデンハイムの劇的な逆転勝利が伝えられ、ファンで埋め尽くされたピッチは喜びから戸惑いの表情に変わっていった。この悲劇的な結末は世界中で話題になり、ぬか喜びの原因となったザントハウゼン側がクラブ公式サイトで謝罪する事態ともなった。


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