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イタリアがイングランドとの激闘制してU-20W杯ベスト8! 10番バルダンツィの先制も一時同点…カサデイが得点ランク首位に立つPK決勝弾

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U-20イタリア代表がベスト8進出

[5.31 U-20W杯決勝トーナメント1回戦 イングランド 1-2 イタリア ラプラタ]

 U-20ワールドカップは5月31日に決勝トーナメント1回戦を行った。U-20イングランド代表とU-20イタリア代表の対戦は、イタリアが2-1で勝利した。6月3日の準々決勝でコロンビアと対戦する。

 前々大会王者のイングランドと、2大会連続ベスト4のイタリアというビッグカード。イングランドは3-4-3の布陣で、クラブの試合優先による招集拒否で決勝トーナメントから参戦したMFカーニー・チュクエメカ(チェルシー)、DFブルック・ノートン・カフィー(コベントリー)といった選手が先発で起用された。

 イタリアは中盤ダイヤモンドの4-4-2の布陣を敷く。高身長DFダニエル・ギラルディ(ベローナ)が出場停止の中、グループリーグ第3戦から先発メンバーを2人変更。今大会4ゴールで得点ランク首位タイに入るFWチェーザレ・カサデイ(レディング)は左サイドハーフで引き続き起用された。

 スタジアムはイタリアサポーターで埋め尽くされ、イングランドにはブーイングが浴びせられる中、その荒々しいエールを味方にしたイタリアが前半8分に先制する。2トップの一角、FWジュゼッペ・アンブロシーノ(チッタデッラ)が中盤から最前線に右足アウトサイドでパス。反応したMFトンマーソ・バルダンツィ(エンポリ)が左足ワンタッチでゴールに流し込む。170cm小兵レフティーの電光石火で、イタリアが均衡を破った。

 ボールを保持するイタリアに対し、イングランドはカウンターでチャンスを作る。前半24分、チュクエメカが左サイドに展開。FWデーン・スカーレット(ポーツマス)の鋭いクロスを、ニアサイドに詰めたMFアルフィー・ディバイン(トッテナム)が右足ワンタッチで決め切り、1-1とすかさず同点に戻した。

 前半を1-1で折り返すと、両チームともにハーフタイムでの交代はなし。後半も再びイタリアがボールを保持し、アンブロシーノが前線で体を張りながら、バルダンツィの巧みな展開で前線に送り、FWフランチェスコ・エスポジート(インテル)らがゴールを狙った。

 最初に交代カードを切ったのはイングランド。後半17分に2枚替えで、ダニエル・オイェゴケ(ブレントフォード)、ダルコ・ギャビ(リーズ)が入る。ギャビがボランチ2人の一角に入り、チュクエメカがボランチから前線のインサイドハーフ気味にプレーをした。

 イタリアは後半29分に攻守に動き続けたアンブロシーノを下げ、FWダニエレ・モンテバーゴ(サンプドリア)を投入。その後も攻勢を保つと、同42分に決定機を迎える。PA手前で浮き球をトラップしたカサデイがボレーシュートを放つ。相手選手にブロックされたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックから主審がモニターで確認し、イングランドのハンドが認められた。

 イタリアのPKキッカーはカサデイ。渾身の右足シュートを叩き込み、得点ランク単独首位に立つ今大会5点目で、イタリアに勝ち越し点をもたらした。

 試合はそのまま終了し、イタリアが2-1で勝利。U-19欧州選手権の準決勝で敗れた欧州王者イングランドの雪辱を果たし、3大会連続でベスト8進出を決めた。

(取材・文 石川祐介)
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