[6.3 FA杯決勝 マンチェスター・C 2-1 マンチェスター・U]

　FAカップは3日、“聖地”ウェンブリー・スタジアムでファイナルを開催した。今季のプレミアリーグを制したマンチェスター・シティと、3位でフィニッシュしたマンチェスター・ユナイテッドが激突。

　12回の優勝を誇るマンチェスター・Uと、4大会ぶり7度目の頂点を目指すマンチェスター・C。プレミア王者はFA杯、UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)とのトレブル(3冠)に手がかかっており、“赤い悪魔”はそれを何としても阻止したい。カラバオカップとの2冠を狙う。1871年に創設され、152年の歴史を持つFA杯において、史上初となる決勝での“マンチェスター・ダービー”。互いに負けられない戦いは、開始13秒にスコアが動いた。

　マンチェスター・Cは前半1分、キックオフで下げたボールをGKシュテファン・オルテガが前線へ送ると、FWアーリング・ハーランドが空中戦に競り勝ち、ボールは一つ前のMFケビン・デ・ブライネの元へ。ワンバウンドして再び浮き上がった球はDFビクトル・リンデロフに先に触られるが、ルーズボールがMFイルカイ・ギュンドアンに渡り、そのまま右足のボレーシュートでゴール右に突き刺した。

　幸先良く先制に成功したマンチェスター・Cは、その後さらに攻勢に転じると、前半4分には右サイドで得たフリーキックから好機を創出。デ・ブライネが右足で入れたボールをニアサイドでMFロドリが頭で叩いたが、シュートは枠を捉えることができない。さらに同28分には、ペナルティエリア手前でパスを受けたデ・ブライネが左足で狙うも、地を這うようなボールは僅かにゴール右へ逸れた。

　ボールを握り試合を組み立てるマンチェスター・Cに対し、反撃に出たいマンチェスター・Uは MFブルーノ・フェルナンデス、MFカゼミーロらが起点となり前進を図る。すると、前半29分にチャンス到来。B・フェルナンデスがピッチ中央からペナルティエリア内右に浮き球を入れると、DFアーロン・ワン・ビサカが頭で折り返したボールがMFジャック・グリーリッシュの手に当たり、ビデオアシスタントレフェリー(VAR)の介入、オンフィールドレビューの結果、ハンドの判定に。このPKをB・フェルナンデスがゴール左に決めて試合を振り出しに戻した。

　意地と意地がぶつかる決勝戦は1-1で前半を折り返すと、後半開始早々にプレミア王者が勝ち越しに成功する。マンチェスター・Cは同6分に右サイド高い位置でフリーキックを獲得すると、デ・ブライネが右足でマイナス方向へ。ペナルティエリア手前に構えていたギュンドアンがダイレクトで合わせると、左足で転がしたボールがGKダビド・デ・ヘアの手をかすめてゴール左に決まった。

　再び1点ビハインドとなったマンチェスター・Uは後半17分に選手交代を行い、MFクリスティアン・エリクセンを下げてMFアレハンドロ・ガルナチョを投入。FWマーカス・ラッシュフォードをターゲットにしつつ、MFジェイドン・サンチョとガルナチョの両翼で反撃を目指した。同24分にはラッシュフォードが遠めから狙うも、強烈なシュートは枠の外。その後はマンチェスター・Cにボールを握られる時間帯が続いた。

　マンチェスター・Cは後半26分、ペナルティエリア内で左足を振ったハーランドのシュートがデ・ヘアに阻まれると、そのこぼれ球にギュンドアンが反応し、ゴールへ押し込む。ハットトリックかと思われたが、こちらはオフサイドの判定で得点は認められなかった。

　ガルナチョの投入で攻撃が活性化されたマンチェスター・Uは徐々に攻勢に転じるも、あと一歩のところでゴールが遠い。追加点を狙うマンチェスター・Cは後半31分にデ・ブライネを下げてMFフィル・フォーデンを投入。同点弾が欲しいマンチェスター・Uは同33分にサンチョに代えてFWボウト・ベグホルストをピッチへ送り込んだ。

　試合は終盤にかけて激しい攻防を見せる。マンチェスター・Cはハーランドが強引な突破から相手ゴールへ迫ると、マンチェスター・Uはガルナチョが左サイドから切り込む。ベグホルストの高さも脅威となったが、マンチェスター・Cの守備陣が落ち着いた対応でゴールを死守した。

　後半アディショナルタイム2分には、途中出場のMFスコット・マクトミネイに2度のチャンスが訪れるも、ギリギリのところでオルテガがストップ。最後まで点差を守り抜いたマンチェスター・Cが2-1でマンチェスター・Uを破り、7度目のFA杯制覇を果たした。

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