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日本人初の決勝、西村・相樂両氏がブーイングの中、メダル授与

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[7.11 W杯決勝 オランダ0-1(延長)スペイン サッカーシティ]

 日本人で初めてW杯決勝の舞台に臨んだ西村雄一主審、相樂亨副審は、それぞれ第4の審判員、リザーブ副審(第5の審判員)としての役割をしっかりと勤め上げた。

 警告14枚、退場者1人が出る大荒れの展開。後半34分には判定に抗議するスペインのデル・ボスケ監督を西村氏がなだめるシーンもあり、ベンチ前で熱くなる控え選手や監督を必死に落ち着かせていた。

 第4の審判員として主審をサポートする役目を担う西村氏は、事前にハワード・ウェブ主審と綿密な打ち合わせをしていた。「Aチームの何番の選手にファウルが多くなってきたなどの情報は、随時コミュニケーションシステムを使ってウェブに伝えていく」。西村氏は試合前日、そう明かしていた。

 主審も当然、試合中の選手のファウル数などは把握するように努めるが、試合全体でファウルが増えれば、混乱することもある。特にこの日は両チーム合わせて47回のファウルが出る激しい展開。主審が選手に対して的確なタイミングで注意を促し、マンマネジメントしていくためにも、西村氏の“アシスト”は重要な役割だった。

 選手交代時にタッチタインでボードを掲げる際には、事前にコミュニケーションシステムを使ってウェブ主審に「何番の選手が交代で、その選手が今ピッチ上のどこにいるか」を伝達。「そうすればウェブはボードを見ずに、僕の声で素早く交代を促すことができる」と、迅速な試合運びを陰でサポートしていた。

 試合後の表彰式では選手に先立ち、西村氏、相樂もウェブ主審らとともに壇上に上り、記念のメダルを授与された。判定に不満を抱えるオランダサポーターからは大きなブーイングも飛んだが、世界最高峰の舞台でこれだけ審判にとって難しい試合を肌で感じることができたのは、今後に向けても大きな経験になったはずだ。

<写真>表彰される決勝戦の審判団。一番左が西村審判
(取材・文 西山紘平)

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