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[CL]準決勝第2戦を前に、UEFAが内田のインタビューを掲載

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 欧州チャンピオンズリーグの準決勝第2戦が4日に行われ、マンチェスター・U(イングランド)とシャルケ04(ドイツ)が対戦する。UEFA公式サイトのuefa.comでは、大舞台に唯一の日本人選手として出場するシャルケ04所属のDF内田篤人のインタビューが特集されている。

以下、uefa.comより内田篤人のインタビュー

―少年時代、最も憧れていたサッカー選手は誰でしたか?

「ベッカムもそうですが、自分がサッカーを始めた理由はキングカズ(三浦知良・横浜FC)だったんですよ。僕の世代は、みんなそうですね。子供の頃は彼で、中学ぐらいになってから、ベッカムという感じでした。

―自分と同じポジションで参考にしている選手はいますか?

「ダニエウ・アウベスは日本にいる時から、すごい選手だと思っていました。この前、インテル戦で対戦したマイコンも身体は強いし、テクニックもありましたね。自分もそういう人たちのいいところを盗んで、勉強したいです」

―あなたはスペインのレジェンド、ラウールと一緒にプレーしていますが、最初は少し緊張したりしませんでしたか?

「ラウールは世界的に見ても伝説というか、すごいプレーをしてきて結果も出している選手です。だから初めて会った時は、『あ、これがラウールか』と思いましたけど、日本人ですごく年下の僕の意見も聞いてくれるし、スーパースターでありながら、自分一人のことではなく、チーム全員のことを考えてくれる人です。試合でも本当によく走ってくれますし。ピッチ外でも声をかけてくれて、みんなの頼りになる兄貴的存在って感じです。サッカーだけでなく、彼のそういう人間性もリスペクトしています」

―チームメートとはどのようにコミュニケーションをとっていますか? ドイツ語の習得は進んでいますか。

「ドイツ語はなかなか難しいですね。まだ英語に頼ってしまう部分はありますが、ドイツ語で話せる時はドイツ語で話すようにしています。サッカーの面ではドイツ語、英語、ポルトガル語も少しわかるので、それほど不自由はありません」

―ドイツに住んでいて良かったと思うことを教えてください。

「ドイツの雰囲気や環境は少し日本に似ているような気がします。誰もが真面目で仕事もしっかりするし、規律も守りますし。サッカーに関しても同じですね。だから、暮らしやすいんじゃないでしょうか」

―プライベートでは、どんなことをしていますか?

「ドライブが好きなので、少し遠くに出掛けたり、家の庭や近くの公園で外を眺めながら、ゆっくりしていますよ」

―今の日本はとても辛い時期を過ごしています。このような時、人々が笑顔を取り戻すのにスポーツは役に立つと思いますか?

「スポーツをすることによって、直接支援できるとは思っていませんが、それで周りの人が何か感じてくれればいいですね。あと、僕らが頑張ることによって、日本の人たちも頑張ってくれたら、嬉しいですね。もちろん募金とか、支援活動はしたいと思っています。僕らがサッカーでできることは、とにかく一生懸命プレーすることだけなので」

―日本を離れて、そんな状況を遠くから見守るしかないのは、あなたにとっても辛い体験ではありませんか?

「そうですね、本当なら日本に帰って、どういう状況なのかをしっかり確かめたい。ドイツにいて、何もできない自分の無力さも感じますし、まだ状況もはっきり把握できていないので、複雑な思いがあります」

―現在、欧州だけでなく世界からさまざまな形で日本への支援が進められていますが、こうした動きはあなたや日本の人々にとって、大きな意味を持ちますか?

「シャルケでもチャリティーマッチやオークションをやってくれて、他のリーグからもメッセージを出してくれたりと、世界中が日本のために動いてくれています。もちろんドイツにも感謝していますし、対戦相手であるとか関係なく日本を助けてくれているので、日本人の代表として試合に出る自分は、感謝の気持ちをこめてプレーしたいと思っています」

(文 片岡涼)

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