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[スルガ銀行CS]“炎の守護神・川口”が復活しPK2本ストップ、「どんなことをしても勝ちたかった」

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[8.3 スルガ銀行チャンピオンシップ 磐田2-2(PK4-2)インデペンディエンテ エコパ]

 やはり、この男は大舞台に強い。これまで何度も日本を救ってきた“神がかりセーブ”は健在だった。ジュビロ磐田の元日本代表GK川口能活がPK戦でPKを2本ストップする活躍を見せ、磐田に12年ぶりの国際タイトルをもたらした。

「きょう勝てて、本当に嬉しいです。PKになっても、とにかくタイトルが欲しかった。今、チームは成長過程ですけど、タイトルを取ることで必ず強いチームになると僕は信じている。そういう意味で、絶対、PKになっても、90分の中ででも、どんなことをしても勝ちたかった」

 ベテラン守護神の表情に、充実感が漂っていた。自分のためというよりも、後輩たちのためにタイトルを取りたい思いが強かった。今の磐田はMF山田大記をはじめ20代前半の若い選手が引っ張っている。かつての名門復活に向けては、まだまだ時間がかかるが、その成長の“起爆剤”とすべく、川口はタイトルをもたらしたかった。

 そんな思いが形になって現れた。先行の磐田は1人目の大卒ルーキーMF小林裕紀が成功し、続く山田も成功した。迎えたインデペンディエンテの2人目。川口が立ちはだかった。MFペジェラノのシュートに、右に飛んで弾きだした。これでPK戦2-1とリードを奪った。

 しかし、3人目のMF那須大亮が失敗。嫌なムードが漂い始めたが、ここでまた、川口が大仕事やってのけた。直後のDFバエスの低いキックを読み切り、右に飛んで右手1本でセーブ。3-1とし優位な流れを作った。これで磐田イレブンは気持ちが楽になった面もあり、4人目のDF駒野友一、5人目のDF藤田義明と2人とも成功。4-2で勝利を手にした。

「僕はPKでしか仕事をしていない。みんなで取ったタイトルです」。守護神は謙遜したが、その存在感は際立っていた。ただ、川口はこれに満足していない。「この勢いをJリーグに繋げたい。Jリーグでもっと上を目指していきたい」。

 昨年は1998年以来となるナビスコ杯優勝を成し遂げたが、川口の思いは、後輩たちにリーグ制覇を、仮にそれがダメでも、ACLなどアジアの舞台を経験させることだ。リーグ戦の制覇は2002年が最後。当時は2シーズン制で、まだ1シーズン制になった2005年以降、優勝がない。守護神はこのチャンピオンシップのタイトルを、新たな栄冠への礎とする。

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