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時にはPA内に全員が…W杯史上“最少国”が築いた白き壁、大国の前に立ちはだかる

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アルゼンチン代表FWリオネル・メッシから自由を奪い取るアイスランド代表

[6.16 ロシアW杯グループリーグD組 アルゼンチン1-1アイスランド モスクワ/スパルタク]

 ボールポゼッションは72%対28%。特に後半はアルゼンチンに圧倒的に押し込まれた。しかし、W杯本大会史上“最少”となる人口33万人の初出場国アイスランド代表は最後まで勝ち越しゴールを許さず、大国から勝ち点1をもぎ取った。

 初の大舞台。前半19分にFWセルヒオ・アグエロに決められてアルゼンチンに先制を許してしまったものの、同23分に歴史的な瞬間が訪れる。右サイドからMFギルフィ・シグルドソンが送ったグラウンダーのクロスのこぼれ球に反応したFWアルフレズ・フィンボガソンが押し込み、アイスランドにとってのW杯初ゴールで試合を振り出しに戻した。

 1-1のまま迎えた後半は防戦一方になったものの、粘り強く体を張った守備で勝ち越し点を許さず。特にアルゼンチンのキーマンであるFWリオネル・メッシにボールが渡れば、すぐさま複数選手が距離を詰め、右サイドから中央に切れ込んで左足シュートを狙うメッシの得意な形を封じ込めた。

 終盤に入ると、アルゼンチンの攻勢はさらに強まり、同18分にはPKを献上するが、GKハンネス・ハルドーソンがメッシのシュートを弾き出して危機をしのぐ。その後、時には白いユニフォームを身にまとったフィールドプレーヤー10人がPA内まで戻って“白い壁”を築き、アルゼンチンの選手がシュート体勢に入ろうものなら必ずコースに入ってブロックし続けた。最後まで集中力は途切れることなく、初出場国ながらも2度の優勝を誇るアルゼンチンとドローを演じた選手たちが試合後にスタンドへ向かうと、サポーターから大歓声が届けられた。

(取材・文 折戸岳彦)

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