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新ルールのコイントス、現状は“ボール派”少数。U-20W杯参加国の選択は?

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コイントスのルールが大きく生まれ変わった(写真は昨年のロシアW杯)

 ポーランドで開催中のU-20ワールドカップでは、世界中の大会に先駆けて2019-20シーズン向けの新競技規則が適用されている。新ルールではコイントスの手続きも変更され、勝ったほうがボールを選ぶことが可能になった。では、果たしてどれだけ多くのチームがルール変更を生かしているのか。国際映像を通して調べてみた。

 サッカーのルールを定める国際サッカー評議会(IFAB)は今年3月、欧州スケジュールの19-20シーズンに向けた競技規則の改訂を決議し、大幅なルール変更を発表した。コイントスではこれまで、勝ったほうがコート(攻めるゴール)を選択するルールだったが、今後はボール(前半のキックオフ権)も選ぶことができるようになった。

 IFABはこの変更により「キックオフを起点とした攻撃の選択肢が増える」と期待している模様。もし前半のゴールを選んだ場合でも、後半のキックオフは相手ボールでスタートするものの、先行逃げ切りを狙うチームにとっては優位に働くことが推測できるからだ。

 今回はいち早く新ルールが導入されているU-20W杯で、ボールを選んだ国がどれほどあったかを調査した。映像は全試合中継を行っている『J SPORTSオンデマンド』を使用。国際映像の都合でコイントスの場面が放送されていないケースもあったため、どちらがコイントスに勝ったかを確認できない試合も一部あった。

 グループリーグ第2節までの経過は以下のとおり。

▽ボールを選択
日本×2(vsエクアドル、メキシコ)
イタリア(vsメキシコ)
フランス(vsサウジアラビア)
ノルウェー(vsニュージーランド)
南アフリカ(vs韓国)

▽コートを選択
タヒチ×2(vsセネガル、ポーランド)
セネガル(vsコロンビア)
ポーランド(vsコロンビア)
ノルウェー(vsウルグアイ)
ウクライナ(vsカタール)
ホンジュラス(vsニュージーランド、ウルグアイ)
カタール(vsナイジェリア)
南アフリカ(vsアルゼンチン)
ポルトガル(vs韓国、アルゼンチン)
マリ(vsサウジアラビア)

▽不明
ウクライナvsアメリカ(ウクライナ)
パナマvsマリ(マリ)
エクアドルvsイタリア(イタリア)
アメリカvsナイジェリア(ナイジェリア)
パナマvsフランス(フランス)
※括弧内はキックオフ側。ボールを選んだ可能性がある。

 まずボール選択で目を引くのは2大会連続出場を果たしたU-20日本代表。主将のMF齊藤未月(湘南)は第1節、第2節と2試合連続でコイントスに勝利し、いずれもボールを選んでいる。これは「最初にボールを触ったほうが良いんじゃないかと思う」というシンプルな理由によるもので、影山雅永監督は選択を選手に任せているようだ。

 またイタリア、フランスが第1節でボールを選び、ノルウェーと南アフリカは第2節でボールを選択している。そのうちノルウェー、南アフリカはコイントス2連勝。第1節ではコートを選んでいたことから、相手によって選択を変えていることが推測される。

 なお、南アフリカは28日に行われたグループリーグ第2節・韓国戦の前半キックオフで、ハーフウェーラインに6人を並べ、そのうち4人が一気に右サイドになだれ込んでいくという仕組みを準備しており、今回のルール改訂が奇襲攻撃のきっかけとなっていることも確認された。

 その一方、多くのチームはこれまでどおりコートを選択。開幕節のセネガル戦で開始わずか10秒で失点を喫したタヒチでさえ、第2節のポーランド戦でもコートを選んでいた。また、選んだコートの内訳としては、もともと自軍ベンチがあるほうのエンドを選ぶチームが大半だった。

 U-20W杯は29日から、グループリーグ第3節がスタート。ここまでのところは『コート派』が優勢だが、ここから決勝トーナメントは1点の重要性が増す試合が続くため、変化が起きる可能性もある。そうした大一番で各チームがどのようにルール変更を活用していくのか、さらに目が離せなくなりそうだ。

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