ABEMA、テレビ朝日、フジテレビは13日、カタールワールドカップ開幕100日前イベントを東京都の六本木ヒルズアリーナで開催した。W杯出場経験を持つ元日本代表の大久保嘉人氏、内田篤人氏が出席し、ABEMAのW杯ゼネラルマネージャーのMF本田圭佑(前スードゥバ)もビデオ出演。日本史上初の“全試合無料中継W杯”に向け、大会への機運を盛り上げた。

　この日は関東地方に台風8号が接近中とあり、屋根に覆われた野外会場にも風雨の音が聞こえてくる悪天候となったが、会場には大勢のサッカーファンが訪れた。内田氏は冒頭で「台風なのによく来ましたね。俺、今日来ようか迷ったからね(笑)」と驚嘆。海外滞在中の本田のビデオメッセージが流された際には「本田はVTRでいいんですか?皆さんもわれわれもこんなに濡れているのに本田は濡れない、と。わかりました」と鮮やかに突っ込み、会場を笑わせていた。

　テレビ朝日でサッカー解説を務める内田氏、フジテレビでW杯スペシャルナビゲーターの大久保氏による放送局の枠を超えた共演。それぞれファンとして見ていたW杯の記憶を語り合った。

　内田氏が印象に残ったW杯は2002年の日韓W杯。頂点に立ったブラジル代表のロナウドの“大五郎カット”、日本代表の戸田和幸の赤髪など、さまざまなヘアスタイルが注目を集めたが、イングランド代表MFデイビッド・ベッカムのソフトモヒカンに憧れていたという。「ベッカムヘアを真似して中学校行ってました」と思い出を明かした内田氏は「こういうヒーローが今大会でも生まれてくるかもしれませんから楽しみにしましょう」と期待を寄せた。

　大久保氏にとって思い出のW杯は2006年のドイツW杯。PK戦での決着となったイタリア対フランスの決勝がいまでも語り草だが、やはり注目したのはフランス代表のジネディーヌ・ジダンの頭突き。「僕もいろいろ退場してきましたが、ワールドカップの決勝ではできないなと思いました」とJリーグ史上最多退場記録を持つ“自虐”も交えつつ、「かっこいいですよね、去り方が」と感嘆していた。

　また本田もビデオメッセージで1998年のフランス大会、02年の日韓大会を回顧。98年の中山雅史のW杯史上初ゴール(ジャマイカ戦)、02年の稲本潤一のW杯史上初の決勝ゴール(ロシア戦)を振り返りつつ、「ヒデさんのプレーが印象的すぎて。かっこよかったですね」と中田英寿への憧れを明かした。日本のレジェンドに目を輝かせた本田の姿には、大久保氏が「丸くなりました?」、内田氏が「優しくなりましたよね?」と驚きを隠せない様子だった。

　W杯での日本の注目選手は内田氏が盟友のDF吉田麻也(シャルケ)、大久保氏がFW三笘薫(ブライトン)を挙げた。一方の本田氏は「サッカーは一人でやるんじゃないので全員が注目されるべき」としながらも、「計算できないかつ化ける可能性ある選手」に注目。「その選手が活躍すれば予選突破はありうる。三笘さん、堂安さん、タケ、この辺ですかね。(それ以外の)中盤以下は計算できるので、そこが崩れたら一気に終わるけどたぶん大丈夫」と太鼓判を押した。

　本大会では内田氏、大久保氏がそれぞれ現地に入り、W杯の熱気を伝える予定。内田氏は「100日切りましたが、命かけてサッカー人生をかけてワールドカップに臨んでいる。現地に行きますが、選手と一緒に戦うつもりで頑張るので一緒に盛り上げていきましょう」、大久保氏は「4年に一度の最高の大会で、いろんなことを言われることもあるけど、選手は見返してやるという気持ちで臨むと思う。日本を一つにして盛り上げていきましょう!」と意気込みを語った。

　また本田はビデオメッセージで「初めてのことすぎて、左も右もわかっていない。他の人の真似もする気もさらさらないし、どんなことを話したらみんなが喜ぶか全然わかってないけど、等身大で思ってることを話すと思います」とキッパリ。「ファンっぽいことも言うし、ぶった斬ることもあるかもしれない。日本代表のサポーターとしていい意味でも悪い意味でも厳しいことは言いますし、サポートしていきたいなと思います」と決意を述べた。

　ABEMAでは本大会の全64試合が日本史上初めて無料生中継。またテレビ朝日は日本代表のグループステージ第2戦コスタリカ戦をなど10試合、フジテレビは同第3戦スペイン戦など10試合を放送する。

(取材・文　竹内達也)

---

★日本代表など参加32チームの最新情報をチェック!!
2022W杯カタール大会特集ページ
★全64試合の日程&テレビ放送をチェック!!
2022W杯カタール大会日程&TV放送