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クロアチアが得意のPK戦でブラジル撃破!! GKリバコビッチがまたも好セーブ、2大会連続ベスト4へ

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GKドミニク・リバコビッチ(ディナモ・ザグレブ)がまたもストップ

[12.9 カタールW杯準々決勝 クロアチア 1-1(PK4-2) ブラジル ドーハ/エデュケーション]

 カタールワールドカップは9日、準々決勝が始まり、クロアチアブラジルを1-1で迎えたPK戦の末に4-2で破った。0-0で迎えた延長前半終了間際、ブラジルはFWネイマール(パリSG)が値千金の先制ゴールを挙げたが、クロアチアも延長後半にFWブルーノ・ペトコビッチ(ディナモ・ザグレブ)が起死回生の同点弾。日本戦に続いて迎えたPK戦ではGKドミニク・リバコビッチ(ディナモ・ザグレブ)がまたも好セーブを見せ、4-2で勝利した。13日の準決勝ではアルゼンチン対オランダの勝者と対戦する。

 決勝トーナメント1回戦で日本をPK戦の末に下したクロアチアは2大会連続のベスト8。日本戦からは先発2人を入れ替え、体調不良で欠場していたDFボルナ・ソサ(シュツットガルト)が復帰し、MFマリオ・パシャリッチ(アタランタ)が右ウイングで今大会初先発を飾った。対するブラジルは優勝した1994年から8大会連続の8強。韓国戦と同じスターティングメンバーを並べた。[スタメンはコチラ]

 キックオフから目立ったのは中盤の攻防。クロアチアはMFルカ・モドリッチ(R・マドリー)が昨季まで同僚だったMFカゼミーロ(マンチェスター・U)にほぼマンツーマンで密着し、ブラジルに普段どおりのビルドアップを許さない。すると前半13分、クロアチアに最初のビッグチャンス。DFヨシプ・ユラノビッチ(セルティック)の持ち上がりから右サイドを打開し、パシャリッチのクロスがゴール前を襲うと、ニアでユラノビッチが潰れてファーでFWイバン・ペリシッチ(インテル)が合わせたが、ダイレクトシュートは惜しくも捉え切れなかった。

 ブラジルもカゼミーロが封じられた分、MFルーカス・パケタ(ウエスト・ハム)が組み立てを担うと、左サイドを中心に攻撃を展開。前半20分にはFWネイマール(パリSG)からのパスを受けたFWビニシウス・ジュニオール(R・マドリー)がFWリシャルリソン(トッテナム)とのワンツーから右足で狙う。直後にはネイマールのカットインシュートが枠内に飛んだが、リバコビッチに阻まれた。

 それでもこの日のクロアチアはモドリッチ、MFマルセロ・ブロゾビッチ(インテル)、MFマテオ・コバチッチ(チェルシー)の3ボランチを中心にボールポゼッションで優位に立ち、ブラジルの迫力ある攻撃を長くは続けさせない。激しいプレッシングにハマりそうになる場面もあったが、前半30分にはユラノビッチがモドリッチ、パシャリッチとのワンツーで美しく打開すると、左サイドに大きく展開し、ペリシッチのシュートにつなげてみせた。

 ブラジルは直後の前半31分、ネイマールが果敢なドリブル突破でブロゾビッチを抜き去ると、後ろからのファウルを誘い、ブロゾビッチにイエローカード。同41分にはビニシウスがブロゾビッチに倒されてペナルティエリア左角付近でファウルをもらい、これをネイマールが直接狙ったが、壁をかすめたボールはリバコビッチに落ち着いてキャッチされ、0-0のままハーフタイムを迎えた。

 それでも後半は一気にブラジルが前に出て、ロングボールを有効に使いながらビニシウスやリシャルリソンが立て続けにゴールに迫るが、リバコビッチがまたしても神がかり的セーブを連発。また前半3分の場面ではネイマールとペナルティアリア内で競り合ったユラノビッチにハンドの反則が疑われたが、VARのチェックが行われた結果、プレーはそのまま流された。

 その後はクロアチアがボールを握る時間帯が続いたが、後半10分にもブラジルに決定機。こぼれ球を拾ったリシャルリソンがスルーパスを送り、ネイマールが抜け出すも、フィニッシュにはここでもリバコビッチが立ちはだかった。チッチ監督は同11分にFWラフィーニャ(バルセロナ)に代わってFWアントニー(マンチェスター・U)、同19分にはビニシウスに代わってFWロドリゴ・ゴエス(R・マドリー)を投入し、選手交代で戦況打開にかかった。

 すると後半21分、左に開いたネイマールの斜めのパスが相手のクロアミスを誘い、ゴール前に走り込んだL・パケタが決定的なボレーシュート。同31分にもリシャルリソンのスルーパスにネイマールが抜け出すも、いずれもリバコビッチに止められた。同35分、サイドチェンジを受けたロドリゴの折り返しにパケタが合わせるも、これもリバコビッチがキャッチ。日本戦でPK3本をストップした守護神がこの日も圧巻の働きを見せた。

 日本戦同様に延長戦も見据えてそうなクロアチアに対し、ブラジルはさらに前に人数をかけ、カゼミーロやミリトンも高い位置を取って攻め込む。だが、日本も苦しんだクロアチアのDFデヤン・ロブレン(ゼニト)、DFヨシュコ・グバルディオル(ライプツィヒ)の高い壁を破ることができず、そのままタイムアップを迎えて延長戦へ。クロアチアは前回大会から決勝トーナメント6回目で、2-4でフランスに敗れた決勝戦を除く5度目の延長戦となった。

 延長戦に入っても試合はなかなか動かず、前半11分にはDFチアゴ・シウバ(チェルシー)のクロスにFWペドロ(フラメンゴ)がボレーで合わせようと試みるが、体勢が悪く空振り。同13分にはロブレンがネイマールからボールを奪い、クロアチアがカウンターを仕掛けると、ペトコビッチがタメを作ってラストパス。だが、ゴール前に走り込んだブロゾビッチのシュートは大きく枠を外れ、絶好のチャンスを逃した。

 ところが前半終了間際、ついに試合が動いた。低い位置まで引いてボールを受けたネイマールが前を向くと、まずはロドリゴとのワンツーで中盤を打開。続くはパケタとのワンツーで、エリア内に攻め上がる。最後に立ちはだかったのはリバコビッチ。ネイマールは小刻みなステップでかわすと、最後は角度のないところから落ち着いて沈めた。ネイマールはこれが神様ペレに並ぶ同国最多タイの代表通算77点目。ブラジルの歴史を変える一発が値千金の先制ゴールとなった。

 選手たちはコーナーフラッグ付近に集まり、ベンチメンバーと一緒に輪になって恒例のゴールセレブレーション。劇的な一発に歓喜を爆発させた。延長後半はクロアチアが猛攻を仕掛けてブラジルゴールに迫ったが、T・シウバ、DFマルキーニョス(パリSG)が落ち着いて立ちはだかる。

 それでもドラマは終わらなかった。延長後半11分、ブラジルの攻撃が失敗に終わった直後、クロアチアは猛烈なカウンターを仕掛けて左サイドを攻め上がると、クロスボールに反応したのはペトコビッチ。叩きつけるような左足ダイレクトシュートでGKアリソン・ベッカー(リバプール)の牙城を破り、クロアチアが土壇場で同点に追いついた。その後はブラジルの猛攻がクロアチアゴールを襲ったが、リバコビッチがまたもスーパーセーブを見せ、勝負の行方はPK戦に委ねられた。

 先攻のクロアチアは1人目のFWニコラ・ブラシッチ(トリノ)が力強く決めて先手を取ると、後攻ブラジルのロドリゴはリバコビッチが止め、さっそく優位に立つ。2人目はクロアチアのMFロブロ・マイェル(レンヌ)、ブラジルのカゼミーロともに成功。日本戦では途中交代だったクロアチア3人目のモドリッチも落ち着いて決めた。

 ブラジル3人目のペドロもテンポを外した助走から決めると、クロアチア4人目のFWミスラフ・オルシッチ(ディナモ・ザグレブ)も成功。すると最後はマルキーニョスが左ポストに当てて失敗し、ここで決着がついた。スコアは4-2。またしてもPK戦を制したクロアチアがベスト4進出を果たした。

(取材・文 竹内達也)

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