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モロッコ指揮官が続々集まる大応援団に感謝「彼らにとって高価だが…」“因縁の相手”フランスにも言及

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モロッコ代表のワリド・レグラギ監督

 モロッコ代表のワリド・レグラギ監督が13日、カタールW杯準決勝フランス戦の前日会見に出席し、「世界中のモロッコファンがわれわれを応援しにきてくれるし、大きな名誉であり誇りだ。ファンのためにプレーし喜ばせることが本当に重要だ」と意気込みを語った。アフリカ勢、そしてアラブ勢の躍進に注目が集まる中、ルサイル・スタジアムには少なくとも2万人以上のサポーターが訪れる見込みだという。

 決勝トーナメント1回戦でスペイン、準々決勝でポルトガルを破り、アフリカ勢で史上初のベスト4入りを果たしたモロッコ。開催地カタールと同じアラブ圏でも史上初めてのW杯4強とあり、スタジアムには毎試合大勢のサポーターが詰めかけ、大声援を送るなど、今大会の台風の目といえる存在となっている。

 それでもチームは冷静にこの快挙を見つめている。レグラギ監督は準決勝に向けて「われわれは決勝に進みたい。準決勝に進んだ初めてのアフリカの国であることに満足していない。さらに前進したい」ときっぱりと語った。

 さらに「われわれはハングリーだ。素晴らしいチームスピリットを持っており、自信を持っている。歴史を塗り替えるつもりだし、アフリカを世界の頂点に立たせたい」と優勝宣言。「われわれが優勝候補でないことは分かっているが、自信はある。私のことをクレイジーと言うかもしれないが、少しくらいの狂気があるのは良いことだと思っている」と自信を示した。

 モロッコにとってフランスはかつての宗主国。レグラギ監督をはじめ二重国籍を持つ人も多く、両国の因縁にも大きな注目が集まる。ところが指揮官はフランスについて「世界最高のチームと戦うことは指導者としての挑戦だ」と述べるにとどまり、「選手たちには相手は誰であろうと関係ないと伝えている」と立場を明確にした。

「ベルギーと対戦した時も二重国籍の選手がいたし、モロッコ代表として対戦するときはわれわれはモロッコ人だ。サッカーの試合をするのだからサッカーの祭典であるべきだ」。落ち着いた口調で語った指揮官は「二つの国籍を持つたくさんの人々はどっちが勝っても幸せだろう」と付け加え、両国の関係性への質問をかわした。

 とはいえ、躍進を続けるモロッコがカタール開催の象徴となっているのは間違いない。深紅に緑の五芒星のフラッグは大会開幕前からドーハの街中で見られ、決勝トーナメントに入るとその数は日に日に増えてきた。レグラギ監督によると準決勝には2万人〜3万人のサポーターが訪れる予定だといい、歴史的一戦は大きな盛り上がりを見せることだろう。

「私が何よりも見せたいのはモロッコのサッカーだ。アフリカ代表であり、アラブ世界の代表だ。何を代表するにしても、モロッコのサッカーは非常に情熱的だ。少なくとも2万人が観戦に来るだろうし、パブリックビューイングやMacbookを通じても見てくれるだろう」

「モロッコの人にとってカタールに来るのは彼らにとって高価であり、アルゼンチン人にとってもブラジル人にとっても同じことだが、それがわれわれのフットボールに対する情熱の表れだと思う。それを示すことができれば素晴らしい」

 会見の壇上で誇らしげに語った指揮官は「世界中の少年少女に夢を見せられればそれが素晴らしいことだし、われわれの国や宗教のポジティブなイメージを発信できれば、それはまた素晴らしいことだ」と力説。母国の思いとサポーターの大声援を背負い、モロッコ代表は決勝進出をかけたピッチに立つ。

(取材・文 竹内達也)
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