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フランスが史上3か国目のW杯連覇に王手!! 躍進モロッコを2-0撃破、アルゼンチンとの決勝へ

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フランスが決勝進出

[12.14 カタールW杯準決勝 フランス 2-0 モロッコ アルホール]

 カタールワールドカップは14日、準決勝を行い、フランスモロッコを2-0で下した。フランスは2大会連続の決勝進出で、イタリア(1934年、38年)とブラジル(58年、62年)に続く史上3か国目の連覇に王手。18日の決勝では1986年のメキシコ大会以来36年ぶりの優勝を狙うアルゼンチンと対戦する。

 かつては宗主国の関係にあった両国による因縁の対決。アフリカ勢、そしてアラブ世界でも史上初の4強入りとなったモロッコは大応援団がカタールに詰めかけ、カタール北部のアルベイト・スタジアムを真っ赤に埋め尽くした。

 フランスは準々決勝イングランド戦(○2-1)から先発2人を変更し、体調不良のMFアドリアン・ラビオ(ユベントス)とDFダヨ・ウパメカノ(バイエルン)に代わってMFユフス・フォファナ(モナコ)とDFイブラヒマ・コナテ(リバプール)が入った。

 対するモロッコは準々決勝ポルトガル戦(○1-0)を負傷欠場したDFヌセア・マズラウィ(バイエルン)が先発に復帰。また同じく欠場していたDFナイフ・アゲルド(ウエスト・ハム)も復帰予定でスターティングメンバーに名を連ねていたが、ウォーミングアップ中の再発により、DFアクラフ・ダリ(ブレスト)が代わりに先発した。[スタメン&布陣]

 試合はモロッコを後押しする大声援が鳴り響く中、フランスがさっそくスコアを動かした。凄まじい指笛とブーイングの中、DFラファエル・バラン(マンチェスター・U)のスルーパスがFWアントワーヌ・グリーズマン(A・マドリー)に通ると、折り返しのパスにFWキリアン・ムバッペ(パリSG)が反応。シュートは相手DFに阻まれたが、跳ね返りに反応したDFテオ・エルナンデス(ミラン)がアクロバティックなボレーシュートを突き刺した。

 電光石火の先制ゴール。ところがモロッコもサポーターの後押しを受け、崩れる様子は見せない。前半9分にはDFアクラフ・ハキミ(パリSG)が同僚ムバッペの突破を止め、スタジアムを沸かせると、その後もボールを保持しながら攻撃を展開。同10分にはMFアゼディン・ウナヒ(アンジェ)がマズラウィとのワンツーからGKウーゴ・ロリス(トッテナム)を強襲するミドルシュートを放った。

 フランスは前半17分、コナテのシンプルなロングフィードにFWオリビエ・ジルー(ミラン)が抜け出すも、左足シュートは左ポストに弾かれる。モロッコは同20分、負傷欠場も報じられながら先発したDFロマン・サイス(ベシクタシュ)がプレーを続けることができずに途中交代。試合前からセンターバック2枚を欠く形となり、MFセリム・アマラー(スタンダール・リエージュ)を入れ、5-4-1から4-1-4-1にシステムを変えた。

 ところがモロッコの勢いは止まらず、前半31分にはFWソフィアン・ブファル(アンジェ)とマズラウィの連係から左サイドを破り、ウナヒがまたも惜しいミドルシュート。同36分にはフランスがMFオーレリアン・チュアメニ(R・マドリー)の素晴らしい突破とスルーパスからムバッペが抜け出すも、シュートは打ち切れず、セカンドボールを拾ったチュアメニのパスを受けたジルーのシュートも枠を外れた。

 モロッコは前半の終盤、FWハキム・ツィエク(チェルシー)のプレースキックから次々にチャンスを創出。前半44分にはDFジャワド・エル・ヤミク(バジャドリー)のバイシクルシュートがゴール左隅を突き、ぎりぎりでロリスにかき出されるという場面もあった。そのまま1点差でハーフタイムを迎えたが、後半に期待を持たせる内容となった。

 それでも後半開始時、モロッコは負傷から復帰していたマズラウィも交代を強いられ、DFヤヒア・アティヤット・アッラー(ウィダードAC)を投入。ここまで躍進に導いてきた中心選手たちの負担が顕在化する。フランスは同2分、ムバッペが左サイドをドリブルで破り、折り返しのパスでチャンスを創出。前回王者がさらに圧力を高めていった。

 後半6分、フランスはムバッペが左サイドで大きくボールを持ち出し、豪快なドリブル突破で打開。だが、モロッコもMFソフィアン・アムラバト(フィオレンティーナ)がハードなスライディングタックルで刈り取る。ムバッペは一時立ち上がれず、その裏を突いたモロッコがクロスから次々に決定機を創出。だが、バランやコナテの好守もあり、良い形でシュートを打つことはできなかった。

 その後もモロッコは右サイドのユニットで何度もペナルティエリア内に侵入するが、フランスの固い守備ブロックを崩すには至らない。フランスは後半20分、ジルーに代わってFWマーカス・テュラム(ボルシアMG)を左ウイングに入れ、ムバッペを最前線に移してカウンター狙いを明確にした。

 ボールを持って攻めるモロッコは後半30分、チュアメニからボールを奪った途中出場FWアブデルラザク・ハムダラー(アル・イテハド)がドリブルで攻め込み、ペナルティエリア内まで辿り着いたが、DFジュール・クンデ(バルセロナ)の身体を張った守備に阻まれる。

 すると後半34分、フランスがまたも試合を動かした。ゴール前でテュラムとの連係から前を向いたムバッペがダブルタッチで相手をかわし、右足シュートを狙うと、相手に当たったこぼれ球がゴール前に流れ、これに直前に投入されたばかりのFWランダル・コロ・ムアニ(フランクフルト)が反応。ファーストタッチで追加点を押し込んだ。

 1998年生まれ24歳のコロ・ムアニはフランクフルトのエースストライカーで、MF鎌田大地とDF長谷部誠の同僚。FWクリストファー・エンクンク(ライプツィヒ)の負傷による追加招集でW杯メンバーに選ばれ、急遽日本遠征を途中離脱してカタール入りしたが、W杯準決勝の大舞台で代表初ゴールを記録した。

 その後もモロッコがボールを握る時間帯が続いたが、フランスは落ち着いてボールを持たせ、コンパクトな守備ブロックで跳ね返す。アディショナルタイムには深く攻め込まれる場面もあったが、クンデの身体を張った守備で失点は許さず、そのままタイムアップ。20年ぶり2度目のW杯制覇を果たした前回大会に続く2大会連続の決勝進出を決めた。敗れたモロッコは17日、クロアチアと3位決定戦を戦う。

(取材・文 竹内達也)
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