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高値で売れない女子W杯放映権…FIFAインファンティーノ会長が放送局を猛烈批判「世界中の女性への平手打ちだ」

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ジャンニ・インファンティーノ会長

 国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長が1日、世界貿易機関(WTO)主催のパネルディスカッション『Making Trade Score for Women!』に登壇し、今夏の女子ワールドカップのメディア放映権に適正な金額を支払うよう、各国の放送局に求めた。FIFA公式サイトで発言の概要が紹介されている。

 『Making Trade Score for Women!』は今夏の女子W杯を前にWTOが主催したイベント。インファンティーノ会長はWTO事務総長のエンゴジ・オコンジョ・イウェアラ博士とともに「貿易と開発の手段としてのフットボールについてのディスカッション」の部門に登壇し、サッカー界の男女平等について見解を述べた。

 インファンティーノ会長は壇上で女子W杯の放映権販売について言及。「ヨーロッパ諸国を中心とした放送局からのオファーは依然として非常に残念なものだ」と指摘しつつ、「女子W杯の視聴率は男子W杯の50〜60%であるにもかかわらず、欧州5大国の提示額は男子の1/20〜1/100程度しかない。具体的には男子W杯では放送局が1億〜2億ドルを払うのに対し、女子W杯では100万〜1000万ドルしか提示されていない」と明かした。

 また「放映権料の100%は女子サッカーに使われ、労働条件や賃金の平等に向けたアクションに使用される」と放映権料の重要性を強調しつつ、「特に公共放送は女性のスポーツを促進し、投資する義務がある」と放映権料を出し渋る放送局側を批判。「これは女子W杯の偉大な選手たちや、世界中の全ての女性への平手打ちだ」と糾弾した。

 インファンティーノ会長によると、FIFAは女子W杯の賞金を前回フランス大会から3倍に引き上げた。その一方、放送局側は今もなお価値を過小評価していると主張する。

 インファンティーノ会長は「女子W杯を過小評価しないのはわれわれの道徳的、法的な義務だ。今後も公平でない入札が続くようであれば、女子W杯をビッグ5などヨーロッパ諸国で放送しないことを余儀なくされるだろう。そのため世界中のすべての選手、ファン、サッカー関係者、大統領、首相、政治家、ジャーナリストに呼びかけ、女子サッカーの公正な報酬を求める呼びかけに賛同してほしい。女性にはその価値がある。シンプルなことだ」と呼びかけている。

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