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ドイツW杯決勝のPK戦1人目で魅せた“魔術師”…「不安はなかった」元イタリア代表ピルロがど真ん中に蹴った理由

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アンドレア・ピルロ

 2006年のドイツワールドカップはイタリア代表が頂点に立った。決勝ではフランス代表と対戦し、1-1でPK戦の末に5-3で勝利。PK戦の1人目のキッカーを務めたアンドレア・ピルロ氏が当時を振り返った。『フットボール・イタリア』が伝えている。

 6大会ぶり4度目の優勝が懸かったイタリアは、2大会ぶり2度目の頂点を狙うフランスと対戦。試合は1-1のまま90分で決着つかず、延長戦へ。延長後半5分には伝説の“ジダン頭突き”事件が起き、ジネディーヌ・ジダンが退場処分となった。それでもイタリアは数的不利のフランスから得点を奪えず、1-1で120分経過。PK戦に突入した。

 先攻イタリアの1人目はピルロが務めた。世界制覇が懸かる最初のPKキッカー。GKファビアン・バルテズを前に「どうやって得点を決めるか考えていた」とピルロは当時を振り返る。

「リッピ(監督)から最初のキッカーに指名されたとき、どこに蹴るか考えていた。PK戦の1本目となると、GKはどちらかに飛び込むだろうと考えていたからだ」

「1人目はGKがどのような動き方をするかわからない。だから簡単なことではないんだ。これが3人目、4人目、5人目となると、異なる視点を持つことができる。1人目は何が起こるかわからないからプレッシャーがかかるんだ」

 キックポイントに立ったピルロは大きく息をつき、約10秒の間で呼吸を整える。右足で放ったシュートはゴールど真ん中に突き刺さった。「不安はなかった。だけど、決めたときはすごくホッとしたよ」。ピルロのゴールで勢いに乗ったイタリアは5人全員がPKを成功。2人目で失敗したフランスを下し、世界王者となった。
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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