史上初16強に2つの旗を背負ったエジプト監督、王者アルゼンチン戦前に訴えた「人生にフェアプレーを望む」
北中米W杯を戦うエジプト代表のホッサム・ハッサン監督が6日、決勝トーナメント2回戦(ラウンド32)アルゼンチン戦の前日会見に出席し、「相手のユニフォームの色や名前、FIFAランキングに関係なく、全ての対戦相手に敬意を払っている。我々はピッチ上でスタイルを貫く準備をしてきた」と決意を語った。
FWモハメド・サラー(リバプール)とFWオマル・マーモウシュ(マンチェスター・C)という強力な2枚看板を擁するエジプトは今大会、初戦でベルギー相手に1-1で引き分けた後、第2戦でニュージーランドを3-1で破り、W杯で同国史上初勝利を達成。第3戦はターンオーバー布陣を敷きながらもイランと1-1で引き分け、無敗でグループリーグを突破すると、ラウンド32ではオーストラリアと1-1の接戦を繰り広げ、延長PK戦を経て同国史上初のベスト16入りを成し遂げていた。
次に立ちはだかる相手は前回王者のアルゼンチンだが、ハッサン監督は過度な警戒はしていない様子。記者会見ではFWリオネル・メッシに関する質問が飛んだが、「素晴らしい選手が揃っている。もちろん伝説のメッシもいる」と敬意を口にしつつも、「全ての選手とチームに敬意を持っている。サッカーは相手を過小評価せず、ネガティブな考えが自分たちのパフォーマンスに影響を与えてはならないからだ」と淡々と答えていた。
選手としてもエジプト代表のレジェンドとして知られるハッサン監督は続けて「我々にはエジプトの人々とアラブの国々のために大きな目標を掲げている。アラブとアフリカのサッカーを代表しているんだ」と熱弁。「この責任感が我々に集中力をもたらし、ピッチ上での技術的なパフォーマンスを高め、相手ゴールを狙うんだという決意に向かって駆り立てているんだ」と力強いモチベーションを表現した。
史上初のベスト16入りを決めたオーストラリア戦後にはエジプト国旗だけでなく、パレスチナの国旗も手にし、アラブ世界の平和に願いを捧げていたハッサン監督。この振る舞いはアメリカに住むアラブ圏の人々の支持を呼んでいるようで、前日練習でも会場の外に次々とパレスチナの旗を持った人々が訪れ、会見でもアラブ出身の記者から「アルゼンチンに勝っても同じことをしてくれるのか」という期待の質問が向けられた。


この質問に対して「パレスチナの人々の苦しみを感じられない人々がいるなら、その人はどの民族かに関係なく、人間性や尊厳を持ち合わせていないだろう」と切り出した指揮官は「我々はパレスチナの人々に強い連帯感を持っている。何百人、何千人という人々、高齢者や子どもたちが殺される状況の中、我々は快適な環境で暮らしている。ただパレスチナの人々は違うんだ。苦しんでいる人々、特に子どもたちに心を寄せなければならない」と約5分間にわたって熱弁。「私の願いはサッカーをソフトパワーとして活用すること。彼らのアイデンティティを呼びかけることだ。FIFAのシンボルは尊敬、団結を表している。我々は人間を尊重したいんだ。人生にフェアプレーを望む。それが全てだ」と力強く訴えかけると、会場の報道陣から拍手が巻き起こった。
(取材・文 竹内達也)
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FWモハメド・サラー(リバプール)とFWオマル・マーモウシュ(マンチェスター・C)という強力な2枚看板を擁するエジプトは今大会、初戦でベルギー相手に1-1で引き分けた後、第2戦でニュージーランドを3-1で破り、W杯で同国史上初勝利を達成。第3戦はターンオーバー布陣を敷きながらもイランと1-1で引き分け、無敗でグループリーグを突破すると、ラウンド32ではオーストラリアと1-1の接戦を繰り広げ、延長PK戦を経て同国史上初のベスト16入りを成し遂げていた。
次に立ちはだかる相手は前回王者のアルゼンチンだが、ハッサン監督は過度な警戒はしていない様子。記者会見ではFWリオネル・メッシに関する質問が飛んだが、「素晴らしい選手が揃っている。もちろん伝説のメッシもいる」と敬意を口にしつつも、「全ての選手とチームに敬意を持っている。サッカーは相手を過小評価せず、ネガティブな考えが自分たちのパフォーマンスに影響を与えてはならないからだ」と淡々と答えていた。
選手としてもエジプト代表のレジェンドとして知られるハッサン監督は続けて「我々にはエジプトの人々とアラブの国々のために大きな目標を掲げている。アラブとアフリカのサッカーを代表しているんだ」と熱弁。「この責任感が我々に集中力をもたらし、ピッチ上での技術的なパフォーマンスを高め、相手ゴールを狙うんだという決意に向かって駆り立てているんだ」と力強いモチベーションを表現した。
史上初のベスト16入りを決めたオーストラリア戦後にはエジプト国旗だけでなく、パレスチナの国旗も手にし、アラブ世界の平和に願いを捧げていたハッサン監督。この振る舞いはアメリカに住むアラブ圏の人々の支持を呼んでいるようで、前日練習でも会場の外に次々とパレスチナの旗を持った人々が訪れ、会見でもアラブ出身の記者から「アルゼンチンに勝っても同じことをしてくれるのか」という期待の質問が向けられた。


この質問に対して「パレスチナの人々の苦しみを感じられない人々がいるなら、その人はどの民族かに関係なく、人間性や尊厳を持ち合わせていないだろう」と切り出した指揮官は「我々はパレスチナの人々に強い連帯感を持っている。何百人、何千人という人々、高齢者や子どもたちが殺される状況の中、我々は快適な環境で暮らしている。ただパレスチナの人々は違うんだ。苦しんでいる人々、特に子どもたちに心を寄せなければならない」と約5分間にわたって熱弁。「私の願いはサッカーをソフトパワーとして活用すること。彼らのアイデンティティを呼びかけることだ。FIFAのシンボルは尊敬、団結を表している。我々は人間を尊重したいんだ。人生にフェアプレーを望む。それが全てだ」と力強く訴えかけると、会場の報道陣から拍手が巻き起こった。
(取材・文 竹内達也)
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