「あなたなら耐えられるだろう」メッシに刃向かったベリンガム、失意のベスト4「鬼門を越える一員になりたかった」
MF
[7.15 W杯準決勝 イングランド 1-2 アルゼンチン アトランタ]
イングランドを高みに導いてきた背番号10は失意に沈んだ。
「本当に悔しい。ようやく何かを成し遂げ、鬼門を越えるイングランド代表の一員になりたかった。ファンが何年も、何十年も聞かされていた言葉と同じものを伝えないといけないのは本当につらい。あと1勝、そしてあと2勝。もっと勝利を届けたかった」
1966年の母国開催初優勝以降、3度目の挑戦で3度目の敗戦となった準決勝後、MFジュード・ベリンガム(R・マドリー)は終始うつむきがちに言葉を紡いだ。
立ち上がりから激しいデュエルが続いた因縁の一戦。ベリンガムの姿勢が紛れもなくチームの活力となっていた。単純に捌けるような局面でも前に運び、相手をいなすと、DFリサンドロ・マルティネスとDFクリスティアン・ロメロのイエローカードを誘発。圧倒的な個人の力でアルゼンチンを苦しめていた。
FWリオネル・メッシにも刃向うことをいとわなかった。前半の口論では「ファウルについて話し合っていた」というベリンガム。互いにファウルを主張し合う中で「僕にもさっきあった」と訴えるメッシに対し、「あなたならそれくらい耐えられるだろう」と強気に返し、これにはさすがのメッシもうなずくしかない様子だった。
そんな威勢の良さの裏では「彼と対戦できたことは光栄だった。彼に対して悪い感情は一切ない」とも殊勝に語った。アルゼンチンサポーターからのブーイングの大きさが物語っていた注目の10番対決。ただ、結果は転がってこなかった。
勝負を分けたのは先制後の逃げ切り策。防戦一方だったイングランドのトーマス・トゥヘル監督は5バックで守備を固める選択をしたが、さらにアルゼンチンの勢いは増すばかりで、終盤に2失点を喫した。
イングランドではトゥヘル監督への批判が巻き起こっており、準々決勝ノルウェー戦後に試合の感想を巡って異なる意見を口にしていたベリンガムに対しては、記者陣からトゥヘル監督の采配を疑問視する質問も出た。
それでもベリンガムは口を閉ざした。
「まだ少し早すぎる。チーム内部の対話の中で話されるべきだ。そうした会話は選手たちやグループの間だけで交わすほうが良い。いま感じているのはそれよりも誇りだ。自分の国を代表して戦えたこと、その旅路の中で人々にいくつかは素晴らしい瞬間を届けられて誇りに思う」
その口ぶりは本音には聞こえなかったが、失意の中に不満は見せず。メッシについての質問にも「こうして負けた側に立っていることは本当に痛ましいことだけど、歴史上最高の選手の一人とピッチで並べたことは光栄だった」と淡々と言い残し、キャップを目深にかぶって取材エリアを後にした。
(取材・文 竹内達也)
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イングランドを高みに導いてきた背番号10は失意に沈んだ。
「本当に悔しい。ようやく何かを成し遂げ、鬼門を越えるイングランド代表の一員になりたかった。ファンが何年も、何十年も聞かされていた言葉と同じものを伝えないといけないのは本当につらい。あと1勝、そしてあと2勝。もっと勝利を届けたかった」
1966年の母国開催初優勝以降、3度目の挑戦で3度目の敗戦となった準決勝後、MFジュード・ベリンガム(R・マドリー)は終始うつむきがちに言葉を紡いだ。
立ち上がりから激しいデュエルが続いた因縁の一戦。ベリンガムの姿勢が紛れもなくチームの活力となっていた。単純に捌けるような局面でも前に運び、相手をいなすと、DFリサンドロ・マルティネスとDFクリスティアン・ロメロのイエローカードを誘発。圧倒的な個人の力でアルゼンチンを苦しめていた。
FWリオネル・メッシにも刃向うことをいとわなかった。前半の口論では「ファウルについて話し合っていた」というベリンガム。互いにファウルを主張し合う中で「僕にもさっきあった」と訴えるメッシに対し、「あなたならそれくらい耐えられるだろう」と強気に返し、これにはさすがのメッシもうなずくしかない様子だった。
そんな威勢の良さの裏では「彼と対戦できたことは光栄だった。彼に対して悪い感情は一切ない」とも殊勝に語った。アルゼンチンサポーターからのブーイングの大きさが物語っていた注目の10番対決。ただ、結果は転がってこなかった。
勝負を分けたのは先制後の逃げ切り策。防戦一方だったイングランドのトーマス・トゥヘル監督は5バックで守備を固める選択をしたが、さらにアルゼンチンの勢いは増すばかりで、終盤に2失点を喫した。
イングランドではトゥヘル監督への批判が巻き起こっており、準々決勝ノルウェー戦後に試合の感想を巡って異なる意見を口にしていたベリンガムに対しては、記者陣からトゥヘル監督の采配を疑問視する質問も出た。
それでもベリンガムは口を閉ざした。
「まだ少し早すぎる。チーム内部の対話の中で話されるべきだ。そうした会話は選手たちやグループの間だけで交わすほうが良い。いま感じているのはそれよりも誇りだ。自分の国を代表して戦えたこと、その旅路の中で人々にいくつかは素晴らしい瞬間を届けられて誇りに思う」
その口ぶりは本音には聞こえなかったが、失意の中に不満は見せず。メッシについての質問にも「こうして負けた側に立っていることは本当に痛ましいことだけど、歴史上最高の選手の一人とピッチで並べたことは光栄だった」と淡々と言い残し、キャップを目深にかぶって取材エリアを後にした。
(取材・文 竹内達也)
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