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[マリノスカップ]今季公式戦全勝のトップチーム同様の好スタート、横浜FMユースが東福岡に5発勝利

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[3.26 マリノスカップU-17 横浜FMユース5-2東福岡高 小机]

 第5回横浜F・マリノスカップU-17(TOGETHER TO THE FUTURE)が26日、開幕した。「みなとリーグ」の第1戦では昨年の日本クラブユース選手権準優勝、Jユースカップ4強の横浜F・マリノスユース(神奈川)と新人戦九州大会優勝チームでプレミアリーグWESTの東福岡高(福岡)が激突。横浜FMがMF田崎遼太郎の2ゴールなどによって5-2で勝った。

 今季公式戦5戦全勝と快調なスタートを切ったトップチームに負けじと、全タイトル獲得を目指す横浜FMユースがインパクトある初戦勝利だ。この日はエースのMF汰木康也がU-18日本代表候補合宿参加のために不在だったが、抜群の決定力を見せつけて前半16分までに3得点。その後は決定機をつくりながらPK失敗などでなかなか突き放すことができなかったが、それでも4-0から2点差に詰め寄られたあとにダメ押して試合を押し切った。

 試合開始直後、右MF田中健太が右中間から強烈な左足ミドル。これが東福岡ゴールを脅かすと4分だ。田中が1本目の位置よりもやや長い距離から再び左足を振りぬくと、ボールはゴール右上隅へ突き刺さった。鮮烈な一撃で先制した横浜FMはさらに10分、パスワークからPAへ抜け出したFW深澤知也が右足シュート。これがゴール左ポストを叩いてからゴールラインを越えて2-0となった。横浜FMは16分にも左ショートコーナーからリターンを受けた田崎がDF2人を振りきってPAへ侵入すると、そのままニアサイドに右足シュートを沈めて3点差とする。 

 東福岡は主将のMF阿部敬太や10番のMF松田天馬ら中盤から前方は昨年からの経験者が多く残る陣容。攻守のキーマンである松田が「みんな止める、蹴るが上手いので去年よりはボールを失わないかなと思います」と説明するチームは技術のある中盤中心に非常に速くボールを動かすと、思い切って長い距離を駆け上がってくる田中敦稀キム・ヨダンの両SBのオーバーラップを交えて反撃した。

 ただ、2日前までサニックス杯国際ユース大会(福岡)に出場し、この日移動してきたチームはコンディション面で厳しい状況。前半はパスや動きのズレも目立ち、中盤で「まず守備から入って自分たちの時間を長くするというのが自分たちのやり方。FWから凄いプレッシャーをかけてくれるんで、取りやすいという面があります」と話したMF早坂翔とMF新里涼の横浜FMダブルボランチにボールを奪われては、ショートカウンターから決定機をつくられる場面の連続だった。松田は「攻守の切り替えが遅いのと、あと中盤が考えずに上がり過ぎていた。マリノスは上手かったです」。パワフルなFW木戸皓貴のDFを引きずるようなドリブルや右FW池辺龍次朗の縦への仕掛けも得点にはつながらず、3点ビハインドで前半を終えてしまった。

 東福岡は後半開始直後にFW藤本拓臣が迎えたビッグチャンスもGK田口潤人の好守に阻まれ、6分に池辺が放った右足シュートもゴールのわずか左へと外れた。流れをつかみかけながらも追撃のチャンスを逃した相手に対して横浜FMは11分、右サイドから持ち上がった深澤から中央のMF瀬賀悟を経由して左中間の田崎へつなぐ。フリーで受けた田崎が右足コントロールショットをゴール右隅へ流し込んで4-0とした。

 大差をつけられた東福岡だが、点差が開いても選手間で盛り上げながら、巻き返そうとする姿勢を前面に出していた。全く諦める様子を見せずに戦った選手たちの姿勢を森重潤也監督も評価していた。指揮官が「2点取り返す力はある。負け試合を勝ち点1にまで持っていけるところまでいけそうだった」と語ったように東福岡は主導権を握って猛反撃。29分に阿部の右FKから交代出場のCB中島圭大がヘディングシュートを決めると、33分には左サイドからのパスを逆サイドで受けた木戸が「上がり(サポート)があまりなかったので、自分で突破してやろうと思った」と鋭いターンでマークを外してPAへ侵入し、右足でゴール左隅へファインショットを叩きこんで2点差にまで追い上げた。

 30分から圧倒的な高さを誇る187cmCB熊本雄太を前線へ移していた東福岡は、そのハイタワーの空中戦の強さも活かした攻撃で相手を飲み込みかけていた。それでも横浜FMは41分、右サイドを突破した深澤のラストパスを中央の瀬賀が頭で決めて5-2で勝利。深澤と瀬賀の2トップに迫力があり、右SB福田圭佑、田口といった実力者も力を示した横浜FMが難敵を振り切った。

 今年の横浜FMの目標は昨年以上の成績を残すこと。主将の早坂は「(プリンスリーグ関東から)プレミア(リーグ)に上がることを目標にやっていますし、去年成し遂げられなかった全国制覇を目標にやっている。自分たちの代は今、強いのでこれからもっとチームのベースをレベルアップして行きたいです」。また田中も「去年凄くいいチームだったけれど、あと一歩でベスト4とかで終わってしまった。それをひとつ乗り越えて優勝というのが目標で、みんなも信じてタイトル『全部取る』と言っている。全国に限らず、マリノスカップとかもタイトルはすべて取りたいとみんなひとつにまとまっています」と力を込めた。大会2日目の高校選手権4強・星稜高(石川)戦も4-1で快勝。昨年3位だったマリノスカップ制覇からすべてのタイトル獲得を目指す。

[写真]横浜FMユースは田崎(右)の2ゴールなどで快勝

(取材・文 吉田太郎)

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