beacon

[MOM769]流通経済大柏MF小泉慶(3年)_守備面際立った流経の新10番

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.7 プレミアリーグEAST第1節 流通経済大柏高1-0札幌U-18 流通経済大柏高G]

「上手い選手になりたかったんですけど、流経来て、本当に気持ちの強さに圧倒された。気持ちがみんな強いんで、それに負けちゃいけないと思っている」。今年の流通経済大柏高(千葉)の10番MF小泉慶(3年)は、技術の高さで違いをつくることのできる存在。だが、この日は泥臭く相手を潰す守備面が際立った。

 札幌U-18のキーマンは同じボランチに入ったU-18日本代表候補MF前寛之。ファーストDFを外してからラストパスや展開を狙っていたが、「コンサは代表が多いと聞いていた。自分は代表(選手が)嫌いなので(微笑)。上手い人は削っちゃいたいタイプ。とにかく自分は相手のエースを潰すことを考えている。気合だけなら負けないですね」という小泉が前の前に立ちはだかる。体力に自信があり、チームがキツイ時にこそ頑張ることができる小泉はMF西槙翼とのコンビで中盤の攻防戦を制すと、ドリブル、正確なパスで攻撃の起点となった。 

 厳しい寄せ、そしてギリギリのボールに対してはスライディングしてでも足を伸ばす。ルーズボールに対して頭から飛び込んでクリアしようとする場面もあった。後半は相手にボールを回される時間帯が長かったが「札幌が回してくるのは分かっていた。(実際)Jなのですごく上手い選手ばかりだった。10番とかすごい上手かったし。でもそれを潰せば、(相手の攻撃・得点は)ないと思っていた。それを潰すのが自分の仕事と考えていた」と小泉。本田裕一郎監督が「小泉は良かったねぇ。小泉がボールを取るのは一番上手いですからね」と称賛したように札幌に思うような攻撃をさせなかった10番が勝利の立て役者だった。

 小中時代はテクニックをウリとする選手だった。ただ、一昨年に山口県で開催された国体少年男子の部の千葉県選抜チームで守備的なボランチで起用されてから、意識が変わった。「国体に選ばれて守備的ボランチをやって、守備面が伸びた。(国体選抜でもコーチを務めていた)エノさん(榎本コーチ)からはとにかく走れと言われているんで、それを心がけている」。国体で全国制覇(静岡県と同点優勝)を成し遂げたことで自信も深まった。

 指揮官からはゴールも求められている。この日はPAまで飛び込む場面はあったが、得点に絡むことはできず。守備の大事さを強調する小泉だが、10番として攻撃面でも貢献しなければならないことは理解している。「今年10番ということで、プレッシャーはないですけど、それくらいの仕事をしなければいけない。自分が引っ張っていきたいですね」。目標は日本一。「みんな自信はあると思う」というチームで攻守の柱として泥臭く、そして決定的な仕事をして白星をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
2013プレミアリーグEAST

TOP