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152cmFWがプレミアEAST得点ランク首位!福岡から流通経済大柏で技磨くFW森永「サッカーに小さいことは関係ない」を示す

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[4.28 高円宮杯プレミアリーグEAST第4節 流通経済大柏高6-0青森山田高 流通経済大柏高G]

 152cm、50kgの小さな逸材が高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯プレミアリーグEASTで現在得点ランキング首位に立っている。流通経済大柏高(千葉)のFW森永卓(3年)は福岡県北九州市の小倉南FCジュニアユース出身。ピッチの中で最も小柄なアタッカーは身体負けして相手DFに潰されるような場面も少なくないが、流経大柏のパスワークに欠かせない存在であり、スルーパス、そしてゴールで輝きを放っている。

 11年の国体少年男子の部では準決勝の1得点に終わったものの、圧巻の運動量と献身的な守備、そしてチャンスメークで千葉県選抜の優勝に貢献し、大会関係者たちからも非常に高い評価を受けていた。その注目FWは昨年のプレミアリーグでも三菱養和SCユース戦で決勝ゴールを決めたほか、鋭い動き出しと正確な技術、タイミングの良いパスで攻撃を活性化していた。そして今年のプレミアリーグ開幕戦(対札幌U-18)では決勝PKにつながるスルーパスなど決定的なパスを連発し、JFAアカデミー福島との第2戦では後半開始直後の同点弾など2得点。そして前節の清水ユース戦ではハットトリックを達成してチームの7-0快勝に貢献した。

 この日は「マジで点取りたくて、そればかり意識してしまっていました。点取りたい、取りたいと思い過ぎちゃったら崩れちゃう。逆に何も考えなかったら点取れる感じですね」と反省したようにゴールへの意識が前面に出すぎたか、無得点で後半途中に交代。強引なドリブル突破でPAへ潜り込むなどチャンスに絡みながら無得点に終わった。それでも献身的な動きでイーブンボールを自らへ傾け、相手に厳しいプレスをかけるなど、やはり貢献度は大きかった。

 この日、「本当に悔しかった」と居残り練習でシュートを打ち続けたFWは「(攻撃の)つくりの部分ではミスしないようにやっている。でもここ何試合かはつくりの部分で結構ミスしちゃっている。2年の時はつくりの時にミスしないことが評価されていた。それをプラスにしながら点を取れたらいいと思います。プレミアもそうですし、インハイ、選手権でも得点王を狙っていきたいですね」と誓った。

「小さくてもサッカーには関係ない」ところを見せるために九州から流経大柏に来た。森永は中学卒業時、地元・福岡の名門校か、流経大柏へ進学するか迷っていたという。だが07年の全国高校総体、全日本ユース選手権、全国高校選手権ですべて得点王を獲得した流経大柏OBのFW大前元紀(現デュッセルドルフ)と本田裕一郎監督の存在が流経大柏への進学の決め手となった。「自分(の進学理由)はひとつは(大前)元紀さん。自分は選手権の時に元紀さんを見ていて、(本田裕一郎)監督のコメントでも『サッカーに小さいことは関係ない』と。(周りからは)『流経行っても、小さいから出れないよ』と言われていたんですけど、監督は『サッカーに小さいは関係ない』と言っていたので、そういう人の下でやりたいと思いました」と決断。1年時から期待されてきたFWは着実に成長して攻撃の柱として名門を引っ張っている。

 現在チームはプレミアリーグ開幕4連勝。特にここ3試合で18得点と圧倒的な強さを見せている。「(プレミアリーグの)目標は優勝ですね。その中で自分も得点できれば。(油断はなく)勝っても自分たちはミーティングで『これは通過点』と言っている。少しでも気が抜けているとキャプテン(石田和希)が練習させないというような雰囲気がある」。甘えることなく、互いが切磋琢磨する環境。その中で妥協することなく技を磨く152cmが結果を残し続けて「サッカーに小さいことは関係ない」ことを示す。

(取材・文 吉田太郎)
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