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ダラスカップ準優勝で自信も…柏U-18「もう負けられない」:プリンスリーグ関東1部

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[4.27 プリンスリーグ関東1部第4節 横浜FMユース6-3柏U-18 マリノスタウン]

 昨年の日本クラブユース選手権(U-18)大会で初優勝した柏レイソルU-18(千葉)の新チームは、3月に出場した第34回ダラスカップでマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)やクラブアメリカ(メキシコ)を下すなど日本勢として初めて決勝進出を果たした。決勝ではフルハム(イングランド)に1-5で敗れたが、今年もレベルが高いチームであることを印象づけた。

 ただ、27日に行われたプリンスリーグ関東1部の横浜FMユース戦は3-6で敗戦。これは守備の崩壊というよりも、柏のスタイルであるポゼッションで不用意にボールを失ったことが問題だった。本来はサイドへ展開してクロスへ持ち込める状況でも、相手のディフェンスが整っていたり、自分たちの守備のバランスが崩れている状況では無理に攻めずにボールをつなぎ直し、左右へ揺さぶって、テンポアップするタイミングを探し直す。ただこの日は中盤での厳しいプレッシャーを避けるように早い段階でクロスやラストパスを選択。バランスを欠いた守備網ではボールを失ったあとに奪い返すことができず、ドリブルや縦パスで穴を開けられて失点を重ねてしまった。

 ダラスカップ7得点のFW大島康樹(2年)が体調不良のため欠場したことも影響したか、自分たちのサッカーをすることができなかった。0-4とされてから高い位置でボールをつなぐ時間帯が増え、FW宮澤弘(3年)のゴールなど3点を返したが、大量失点が響き敗戦となった。下平隆宏監督は「いいバランスで攻めないからボールが取れなかった」と分析。また指揮官は試合後のミーティングにおいて、失点に絡んだ選手が下を向いてしまい、他のチームメートたちもサポートする声を全くかけなかったことなどを厳しく指摘していた。この日は内容はもちろん、チームとしての課題もあった。「(上手いだけではなく)本当のプロフェッショナルという選手をつくらないといけない。下部組織の選手が見ても憧れになったり、お手本になったり、人間性の優れた選手でなかったらプロになる資格はボクはないと思っている」という下平監督。トップチームを目指す選手たちがチームとして成長していかなければならない。チームとしてこの日欠いてしまっていた内容も、サッカーに対する姿勢も選手たちは反省し、次につなげるしかない。

 1年時から主力としてプレーしてきたCB中谷進之介主将(3年)は「海外遠征でいい結果を残して、それが変に過信になってしまっていた。きょうはまず、全然自分たちのサッカーができなかった」と反省。「ダラスカップの時はみんな優勝というひとつの方向へ向かっていた。きょうは結構みんな静かだったけれど、あの時は試合中にみんなしゃべっていた。まずひとつの方向にみんなが向くこと。今は目標がバラバラになってしまっている」と改善させることを誓っていた。

 昨年のチームからは湘南へ期限付き移籍しているMF中川寛斗を含めて5人がトップチームへ昇格。そして全国タイトルも獲得した。チーム一丸となって先輩たちを越える成果を出すことができるか。中谷は「まずはプレミア昇格。もうこれからは負けられない。あと天皇杯も行ければトップとできるので目指して行きたい。今年はかかっている。(自分自身も)キャンプ行って、結果を残せなくて。少ししかトップに行けていない。ユースで結果を残すしかない。チームで結果を残せば絶対評価される」。それぞれの将来を切り開くためにもチームのために戦い、結果を残す。

(取材・文 吉田太郎)
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