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[プレミアリーグEAST]JFAアカデミー福島が前年王者・東京Vユースを3-0撃破!

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[6.30 高円宮杯プレミアリーグEAST第7節 JFAアカデミー福島3-0東京Vユース 時之栖G]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2013 プレミアリーグEASTは30日、第7節を行い、昇格組のJFAアカデミー福島(福島)と昨年優勝の東京ヴェルディユース(東京)との一戦はU-18日本代表候補MF金子翔太の2ゴールなど3-0でJFAアカデミー福島が快勝した。

 ボールを保持して攻めるという狙い通りのサッカーを展開できた訳ではない。それでも相手の急所を的確に攻め落とし、守備面で穴を見せなかったJFAアカデミー福島が勝ち点3を獲得。4戦連続無敗で4位へ浮上した。
 
 先制点は“電光石火”だった。試合開始直後の前半2分、JFAアカデミー福島は相手の背後を狙ったロビングを力強い動きで収めようとしたFW平岡将豪がゴール正面左寄り、PAやや外側の位置でFKを獲得する。これをコンフェデレーションズ杯のブラジル対メキシコ戦でブラジル代表FWネイマールが決めたFKのイメージを持っていたという金子が右足一閃。鋭い弾道を描いたボールはゴール右隅へ突き刺さり、JFAアカデミー福島が先制した。

 早くも追う立場となってしまった東京VはMF山口陽一朗やMF三竿健斗、10番MF澤井直人中心にボールを支配して反撃。右MF安西幸輝が空いたスペースへ顔を出し、またアタッキングゾーンで前を向いたMF中野雅臣からのスルーパスやサイドへ展開してからのクロスを次々と狙い、フィニッシャーのFW菅嶋弘希がPAへ飛び出してくる。ただ金子が「ヴェルディにボールを支配されるというのは中断期間からみんなで意識していて、そこはハードワークして、守備から入って、またヴェルディは背後が少し弱いということをスカウティングで言っていたのでその点は狙いとして持っていた」というJFAアカデミー福島は、自陣にブロックをつくって守り、幅を使って揺さぶってくる相手の攻撃にしっかりと対応。コンパクトな塊となってパスコースを消して無失点で試合を進めていく。

 そして早坂武流と浅岡大貴の両CBやMF橋田慎太郎とMF草野侑己のダブルボランチらがPAや前線に入ってくるボールを冷静にインターセプト。ボールを奪うと、高めの位置取りをしていた相手の右サイドの背後を強襲した。27分にはインターセプトした橋田が左サイドへ展開すると、これを受けた平岡がDFを引きずるような強引な突破でPAへ一気に切れこむ。ゴールエリアまで突き進んだ平岡がGKの目前で右前方へはたくと、詰めていた金子が左足で2点目のゴールをねじ込んだ。

 相手の予想を上回るパスワークでボールを保持していた東京Vだが、JFAアカデミー福島の好守の前に決定打を放つことができない。後半5分には右サイドからのラストパスを交代出場のMF井上潮音が右足で叩くが、GK似鳥康太が反応。逆にJFAアカデミー福島は10分、中央の金子が右サイドへ展開すると、右SB小池龍太のクロスをニアサイドへ飛び込んだMF前田拓海が1タッチでゴールヘ沈めて3-0とした。

 この後は東京Vが怒涛の攻撃。サイドの狭いスペースへ追い込まれてもボールをつなぎ、クロスやミドルシュートへと持ち込んでくる。菅嶋がドリブルでPAへ潜り込んでくる場面もあった。だが集中力の高い相手の好守の前にラストパスを通すことができない。JFAアカデミー福島は後半38分に平岡が2枚目の警告を受けて退場したが、45分に三竿が放った左足シュートを早坂がゴールラインすれすれでクリアすると、アディショナルタイムにCB畠中槙之輔が狙ったヘディングシュートも似鳥がゴール外へかき出して無失点。カウンター攻撃をフィニッシュまでつなげるなど武器を見せながら守り勝った。

 JFAアカデミー福島の中田康人監督は「(約1か月半の中断期間については)6節が終わった段階でクロスからの失点が多かった。あとは2次攻撃というか、一度跳ね返しているけれど拾われて決められるとか、そういう部分の修正をシャドーで崩されたぞという場面をつくりながらやって、攻撃はもっと動かしてということをやっていたんですけど、出なかった。出なかったということは身についていないんだなと思います」と内容について満足はしていなかった。それでも中断期間に毎週大学生と練習試合を行なってきた成果を発揮。選手たちの成長も感じている。「最初の日体大には相手にならなかったです。でも先々週の順大とか、先週の明治戦は割と意図していたことが出始めて、あとは球際のところが少し粘り強くなってきたと思います」と指揮官は認めていた。開幕3連敗スタートだったJFAアカデミー福島がV候補も撃破して上位争いへ食い込んできた。

(取材・文 吉田太郎)

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