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[プレミアリーグWEST]重圧をプラスに、神戸U-18が初V王手!!

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[12.1 高円宮杯プレミアリーグWEST第17節 神戸U-18 2-0名古屋U18 いぶきの森]

 高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2013 プレミアリーグWEST第17節が1日、いぶきの森球技場(兵庫)で行われ、首位のヴィッセル神戸U-18(兵庫)と6位・名古屋グランパスU18(愛知)が対戦。2-0で神戸が勝利し、初優勝に王手をかけた。

「こういう上位争いに慣れていないんで、硬さもあったと思う」(野田知監督)と序盤から少し緊張した様子が見えた神戸は、後方からのパス回しで主導権を握りながらも、MF表原玄太(3年)が「今日は相手の中盤が多くて、一度持たれたらなかなかボールが取れない。相手を追う場面が多くて、前半は体力がきつかった」と振り返ったように中盤を起点にU-17W杯日本代表FW杉森考起(1年)らが仕掛ける名古屋の攻撃に手を焼いてしまう。

 8分には左サイドからチャンスを与え、FW青山景昌(2年)にシュートを打たれたが、神戸はGK吉丸絢梓(3年)の好守によって難を逃れる。このピンチ以降、神戸は徐々にエンジンがかかり始め、ポゼッションから効果的に相手DFの背後へとボールを配給し、FW南島彰人(2年)、米澤令衣(2年)の両ウイングの飛び出しからチャンスを作り始める。

 13分には右サイドでの素早いリスタートを南島が深い位置で受けて、中へマイナスのパス。MF中井英人(2年)が放ったミドルシュートは右ポストに阻まれたが、29分には中央でボールを受けた米澤が表原とのワンツーでPAに侵入し、落ち着いて右隅に流し込んで先制する。42分にも名古屋DF吹ヶ徳喜(1年)の攻め上がりをDF藤谷壮(1年)が高い位置でカット。素早く左サイドのDF山口真司(2年)に展開すると、山口はそのまま中央へドリブル突破。相手DFを引き寄せたタイミングで、PA右にスルーパスを送る。フリーで抜けたFW藤本裕豪(2年)のシュートは枠を捉える事が出来なかったものの、上り調子のまま前半を終えた。

 後半に入ってからも流れは変わらず神戸。7分には相手のクリアミスがゴール前の米澤に渡り、中井、藤本と繋いでボレーシュート。11分には藤谷のオーバーラップから表原、米澤と繋いでシュートを放つも、追加点を奪うことができない。名古屋の逆襲を受ける場面もあったが、守備陣が集中を切らさずしっかりとシャットアウトして流れを保ち続けると、28分には山口が中盤中央でボールを奪い、すぐさま縦の表原へとパス。ドリブルで前進した表原の振り抜いた一撃がゴール左隅に突き刺さり、リードを広げた。残り10分に入り、猛攻を仕掛けた名古屋の攻撃陣を寸での所で抑え続けながら、最後まで攻める姿勢も失わなかった神戸が逃げ切りに成功した。

 試合後、神戸の野田監督は「内容は良くもなく、悪くもなく」としつつも「ただ、ここまで来ているんで結果の方が重要だと思う」と優勝に大きく迫る勝ち点3を高評価。最終節の大津高(熊本)戦(12月8日)に向け、「(マジック1になったけれど)最後の最後で躓いて終わるというのがうちのパターン。ここまで来て最後にこけてしまったら、全部パーになっちゃうんで、それだけは避けたい」と気持ちを引き締めた。
 
 勝ち点2差で東福岡高(福岡)、勝ち点3差で京都サンガF.C.U-18(京都)が迫るが、「優勝のプレッシャーはないと思っていたけど、目に見えない所にあった。でも、そのプレッシャーですら今は楽しい」(表原)とチームは重圧すらプラスに変えようとしている。残り1試合、彼らの目には“優勝”の二文字しか見えていない。

[写真]後半28分、神戸U-18は表原のゴールで2-0と突き放す

(取材・文 森田将義)
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