[12.14 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦　磐田U-18 1-2 柏U-18 広島一球]

　高円宮杯U-18サッカーリーグ2013プレミアリーグ参入戦1回戦、ジュビロ磐田U-18(東海1、静岡)対柏レイソルU-18(関東2、千葉)戦が14日、広島広域公園第一球技場で行われた。前半に奪った2ゴールで磐田を2-1で退けた柏が2回戦へと駒を進めた。

「前半は主導権が握れて、普段通りというかいつも通りのサッカーが出来たと思う」。下平隆宏監督が褒め称えたようにキックオフから主導権を握ったのは柏。“レイソルらしい”中谷進之介(トップチーム昇格内定)らDFラインからの丁寧なパス回しでボールを動かし前進。MF中山雄太ら中盤が前線へスイッチを入れるパスを通すと、FW宮澤弘、U-17W杯日本代表・会津雄生の両ウイングがサイドを突破し、磐田のゴールを脅かす。

　32分に中山が前線のFW大島康樹へと繋ぎ、このパスを大島がMF白井永地(水戸ホーリーホック内定)へと展開。リターンのボールを左サイドで受けた宮澤がカットインから右足を振り抜く。「ゴールしか見えてなかった」(宮澤)と無我夢中で蹴りこんだ一撃がネットを揺らして先制点を奪うと、続く37分にも高い位置からのチェックで磐田のミスを誘導。ボールを奪った宮澤がこの日、2点目となるゴールを決めてリードを広げた。

　柏は後半も同じように主導権を握り、前線までボールを運ぶも「2点のリードじゃ、最後に何かあった時にバタつくだろうなと思っていたら、その通りになっちゃった。3点目を獲って、ちゃんとゲームを決めないと。盛り上げ好きだから、皆(笑)。楽に勝たせてくれないですね」(下平監督)とDF鈴木拳士郎を中心に粘り強い守備を見せる磐田のDFを崩しきれずにシュートが打てず。逆に白井が「1点を返そうと勢いに乗る相手に飲み込まれてしまった」と反省したように、逆転を狙った磐田に徐々に押し込まれる場面が増え始めた。37分には左サイドをFW中野誠也に崩され、ゴール前へのクロスを許す。U-17W杯日本代表の石田峻真が左へ逸らしたボールをMF梅村晴貴(カターレ富山内定)にボレーを叩き込まれて1点を返されたが、以降は集中を切らさずにしっかりと守りきり、逃げ切りに成功した。

　柏の下平監督は「余所行きのプレーをして欲しくないのに今日も参入戦の雰囲気に飲まれて、普段通りのレイソルサッカーが出来なかった」と課題を口にしつつ、「何かを変えるとか特別な戦術を与えるではなく、今日の前半のようなプレーをするだけですね」とコメント。悲願のプレミア昇格に向けて、2回戦・愛媛ユース戦へ気持ちを引き締めた。

　一方、3年連続でプレミアリーグ参入戦に進みながらも昇格を果たせなかった磐田の鈴木秀人監督は「育成の部分で、レイソルさんが(中高の)6年間で積み上げたのと、うちがそうじゃない部分が凄く出た。選手は凄く一生懸命やってくれたので、チームや指導者は悲しい思いをさせちゃいけない。上に行くのは簡単じゃないというのを今年も思い知らされたのは選手たちに本当に申し訳ない」と肩を落とした。

(取材・文　森田将義)

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