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[チャンピオンシップ]「特別頑張った」流経大柏指揮官、152cmFW森永を絶賛

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[12.15 高円宮杯チャンピオンシップ 流通経済大柏高1-1(PK5-4)神戸U-18 埼玉] 

 流通経済大柏の本田裕一郎監督は152cmの小さな逸材、FW森永卓(3年)のプレーについて「森永は特別頑張ったね。よく頑張った。あんなにちっちゃいのに。152だよ。ジャンプしても(相手の)頭のてっぺん触れないのによくヘディング競っていました。ちっちゃいから、『オマエこれからどうすんの?』って言ったら『これからサッカー続けます』って言うから、じゃ、『ちっちゃい子が大きい子に勝るもの何? 運動量だね』と。(彼には)『人の3倍、4倍走れ』って言っているんですけど(よく走っていた)。でも球さばきとか、やることは一番大人ですよ」と絶賛していた。

 全国随一の選手層を誇る流経大柏。そこで152cmの小さな身体でスタメンを張る。接触プレーを上手く避けながら最もいいポジションでボールを引き出し、チーム屈指の技術を活かしたスルーパスやダイレクトパスで攻撃を活性化。そしてゴール前へ飛び込んでシュートシーンに絡んでいく。この日のシュートは後半11分にMF石田和希の左FKに飛び込んだヘディングシュートの1本に終わり、無得点。神戸U-18との相性はよく、1年時に対戦した際は2得点を挙げ、今夏にフェスティバルで戦った際もゴールを奪っていただけに“ヴィッセルキラー”として密かに自身に期待をしていたが、ゴールを奪うことはできなかった。

 それでも指揮官も絶賛した運動量と負けること承知で空中戦を競り続けた根性。相手の左SBにプレッシャーをかけてそのまま左CB、右CBを追い回すようなプレーもあった。前線でフル回転で走り続けたFWが流経大柏の高速プレスを支えていたのは間違いない。森永は「最初から走りましたね。前半始まってすぐにカットした場面があったんですけど、あれできょう行けるなと思った」。後半終了間際に足を攣らせて交代するまでフルスロットルで走り続けた。

 高校サッカーはこの試合で最後。今後は系列の流通経済大へ進学し、プロを目指す。「小さくてもできることを示す」ため、152cmFWは普段から毎日居残り練習でボールを蹴り続け、誰よりも自主練を重ねてきた“練習の鬼”でもある。公式戦のあとも黙々とシュート練習を続けてきた。目標を達成するためにこれからも人の3倍、4倍走り、努力すること。「ここはあくまで通過点。大学ではもう一回日本一を目指していって、プロへ行って(新潟入りする)小泉のライバルとして小泉から点を取ってやりますよ!」。抜群の技術と献身性、そして闘争心を持つ152cmFWにとって「高校年代日本一」はまだ夢への通過点に過ぎない。

(取材・文 吉田太郎)
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