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無名の存在も世界で「NIKE CHANCE」合格近づいた大成高CB楠本「成長をここで止めたくない」

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 世界で戦える選手を発掘する世界規模のスカウトプロジェクト「NIKE CHANCE」は9日、イングランド代表の本拠地であるセント・ジョージズ・パークでグローバルセレクション最終日を行い、33か国43人の参加選手から合格者5名を選出した。CB楠本卓海(大成高→東京国際大)は全国的に無名の大成高(東京)から、ジャパンセレクション関東ラウンドを突破して世界切符を獲得。グローバルセレクションでも両足のキックや安定したカバーリング、そして最終日に30分3本行われたゲームをすべて無失点で終えるなどアピールし、合格者候補に名を連ねたが、アグレッシブなディフェンスがやや不足した点などを指摘されて惜しくも落選した。

 ただ無名の存在が「ボクは名前のブランドとかを背負っていない」と堂々とプレーし、世界でプロを目指す選手たちに負けていないことを感じることができた。関東大学リーグ1部の東京国際大に進学するCBは4年後のプロ入りを目指して貪欲に成長を目指す。 

以下、グローバルセレクション最終日の楠本コメント
―合格発表が終わった今、自己分析を
「(同じCBのブラジル人が合格したが)あれだけガタイもあれば信頼感もある。見た目も。でも自分は上手さでカバーできたと思う。ほかより目立つプレーがなかったので……そこらへんにいそうなレベルでしかできなかった。セレクションに落ちる経験が久々。相当悔しいっすね」

―ナイキアカデミーとの試合で下がり過ぎていたところを指摘された
「クセなんですよ。コーチにもずっとライン低い低いと言われていたんですけど。後半守備が崩れだしたところで終わっちゃったので……」

―改めてスタートを切ることになる
「初めて会う人に言われたことばは自分に足りない、明らかにダメなところだと思うので、活かしていきたいと思います」

―ただ、試合では1点も取られなかった
「DFとしては無失点はいいことだと思います」

―やり切ったという感じではない?
「対人とかあれば、やり切ったと思うと思うんですけど、そういう場面がなかった。3本目にタッチライン際で取られたのはダメなところなので、悔いが残りますね」

―3日間プロを目指す選手たちと競争した
「こっちの方が日本人よりもガッツあります。当たりも激しいし、やりがいがあります。レベルは日本の方が上手いと思うんですけど、また日本とは違う感覚だった。外国人はもっと強くて、下手と言ってもそれなりに足元あるかなと思っていたんですけど、全然できるなという程度だったので自分でも慣れればできると思います」

―課題として感じた部分は?
「身体の使い方が下手なので、相手のプレッシャーが来ちゃうと視野が狭くなってしまう。そしてタッチ数が多くなってしまう。収めようとしすぎてタッチ数が多すぎると言われる。ファーストタッチの部分を磨かないといけない」

―成長はまだ止まらない
「成長したいですね。自分も成長をここで止めたくないし、中途半端で終わりたくない。とりあえず大学でやり切るだけやりきって、それでプロでになれなかったらそのとき考える」

―まだまだ伸びしろがあると思うが
「自分の限度を知らないですし、自分がどこまでできるのか、できないのかも分からないんですよ。自分が上手いのか、上手くないのか、強いのか、強くないのか、自分が一番分かっていないので」

―次の目標について
「大学自体が相当レベル高いんで、トップで試合に出ることが目標ですけど、まずはトップに入ることを目標にしていきたいです」

―次「NIKE CHANCE」を受ける選手たちへのアドバイスを
「もし、シャイとか声出しにくい人だとしたら、気にしないでいい。誰も日本語のことは分からないから。プレー面では思っているよりも(日本人は)やれると思います。何も気にしない方が楽だと思います」

(取材・文 吉田太郎)

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