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[プリンスリーグ東海]藤枝東の注目FW小谷、今年「フクダ電子アリーナに置いてきた」忘れ物取り戻す

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[4.12 高円宮杯プリンスリーグ東海第1節 藤枝東高 4-1 帝京大可児高 藤枝総合]

 あの悔しさは忘れていない。全国高校選手権優勝4回の名門、藤枝東高は昨年度の全国高校選手権に5年ぶりに出場。だが京都橘高(京都)との注目対決を0-2で敗れ、初戦敗退の憂き目にあった。12年国体で活躍しているFW小谷春日(3年)は高速ドリブルと得点力に期待が集まったが、選手権デビュー戦は無得点。チャンスにこそ絡んだものの、結果を残すことができなかった。

 学業優秀で人望も厚い小谷は新チームで主将に任命された。新人戦は県準決勝で敗退したものの、この日のプリンスリーグ開幕戦は4ゴールで白星発進。昨年あと一歩で逃したプレミアリーグ昇格へ好スタートを切った。昨年までの左サイドから今年右サイドへ主戦場を移した小谷は、カットインからシュートというシーンはなかったものの、チャンスメーカー役として機能。2-1の後半19分には右クロスで3点目の起点となり、39分には右サイドでのドリブルからグラウンダーのラストパスを中央のFW山田盛央へ通して4点目をアシストした。

 右利きの小谷は右サイドへ回ったことによって今年はより縦へ仕掛けるシーンが増えているため、得点数よりもアシスト数が伸びるかもしれない。この日は期待された得点はなく、シュートもゼロ。得点へのこだわりはもちろん持っているが、「きょうもアシストしたり、ゴールにつながるプレーができた。質、チャンスメークということを意識してできたと思う」と自分の役割を果たしたことについて納得していた。

 選手権の悔しさは忘れていない。「忘れ物を(京都橘戦が行われた)フクダ電子アリーナに置いてきた。またあそこに戻って全国で勝てるという力を今年つけていければいいと思います。きょうもそうだったんですけど、苦しい時にチームを救える選手になりたい。精度も動き出しもまだまだ。課題を常に見つめながら、それを修正しながら次の試合に向かっていきたい」と誓う。年代別の日本代表入りも目標に掲げるアタッカーが「(チーム力と同時に)自分の力もつけて、誰からも頼られる選手になりたい」という姿に少しでも近づき、今冬、忘れ物を必ず取り戻す。 

(取材・文 吉田太郎)
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