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[MOM1015]駒場GK芹澤遼太(3年)_恐怖心に打ち勝ち、PK2本ストップ

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.20 関東大会東京予選準々決勝 駒場0-0(PK4-2)帝京 駒沢第2]

 帝京撃破の立て役者はGK芹澤遼太(3年)だった。駒場高は0-0で突入したPK戦で相手の1人目を芹澤がいきなりストップ。「PK戦は2回に1回GKに順番が回ってくる。負けたら自分のせいになってしまうので怖かった」と過度の重圧を感じていた芹澤だが、しなりのある動きで右へ跳んで相手のキックを完ぺきに止めると、見ている人々にも思いが伝わるような渾身のガッツポーズで恐怖心も一気に消し去った。「楽しくなっちゃって。最初ずっと怖かったんですけど1回止めたあたりから楽しくなって・・・嬉しかったです」。ヒーローは相手の3人目も「実際、たまたまなんですけど・・・(読みが)当たりましたね(微笑)」と今度は左へ跳んで止め、再びチームに4強切符をもたらした。

「1本止めればいいよ」という山下正人監督の期待を上回るプレーで勝利に貢献した芹澤。1年時の合宿で2試合PK戦があり、その時は全く止めることができなかったという。それを糧に「タイミングとかを取れるように練習してきた」というGKは、完ぺきに2本を止めたほか、自分でリズムをつくってからの跳躍によって4人目のシュートも身体ごとストップしかけ、2人目のキックも読みをしっかりと当てるなど、今後もPKストッパーとして十分に期待できる動きを見せた。

 決して大柄ではないが、その反応の良さと集中力の高さによってゴールを守り抜く。この日は前後半の計80分間集中力を切らさず、PAへ入ってくる相手のクロス、ラストパスを判断良くキャッチ、パンチングで防ぐと、延長後半に迎えた大ピンチでも相手の至近距離からのシュートを足に当ててストップした。100分間を無失点で終え、PK戦でもヒーローとなったGKについては山下監督も「GKはよく頑張った。集中していた。(彼は計算が)できる。集中力があるからね」と評していた。

「少しずつでも成長しているのかなと思いますね」と4強入りしたチームの成長を肌で感じているという芹澤。「(全国大会にはつながらないが)しっかり勝ちたい」という関東大会予選で今後も護り神がチームを救うセーブを見せる。

[写真]PK戦3人目、駒場GK芹澤が左へ跳んでストップ

(取材・文 吉田太郎)

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