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[MOM1078]川崎F U-18FW岡田優希(3年)_相手を「動かして」仕留め、2G1A

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.5 高円宮杯プリンスリーグ関東第7節 川崎F U-18 5-0 山梨学院高 しんよこフットボールパーク]

 山梨学院高の横森巧総監督が「(選手たちの動きが重かったこともあるが、)9番の岡田君にマークを外されていいようにやられた」と認めていた。川崎フロンターレU-18岡田優希(3年)は13年U-17日本代表候補のFW。この日は前半16分に左サイドでの鮮やかなターンでDFを振り切ってFW岸晃司の先制ゴールをアシストすると、20分にはMF牧寛史のスルーパスで抜け出してからGKもかわしてゴールを奪う。さらに後半にもPAのこぼれ球に素早く反応して左足で追加点。2得点1アシストの活躍でチームを勝利へと導いた。

 この試合は岡田にとってターニングポイントになるかもしれない。1点目のアシストは相手の動きを感じ、相手の力を逆手に取って裏へ抜け出したもの。その後も相手の動く方向を感じ、それを活用して抜け出したり、効果的なパスにつなげたりした。タイミングよく岡田へパスを入れる周囲のサポートもあってボールを受ける回数も多かったため、そのマークを外す動きがより際立った印象だ。

「相手の動きを掴めて抜けた。これまでは頭で分かっていても動かなかったと思う。でも重心が傾いたところで入れ替わって外していったり、相手が寄った瞬間に一歩ぐっと前に出ることで裏が取れたり、相手の矢印を感じて、動きで先手を取れるようになった」という。6月にはトップチームの北海道・函館合宿に参加。風間八宏監督の言う「相手の矢印(動き)を見ろ」という部分を意識していても「トップでは矢印を見る間もなく潰されていた」。ただ普段からより意識を高めて取り組んできたことでこの試合では相手を見て、相手を動かして、自分のゴールや突破につなげることができた。

 突破力、決定力も発揮したが、自分は相手を見て幅広いプレーするFWだと考えている。「相手を見てプレーすること。そうすればきょうのようにシュートを打って、ドリブルをし、スルーパスも出せる。そして相手にとって怖い存在になる」。現在開催中のW杯を見て感じるのはメッシらアルゼンチンの選手やブラジルの選手が「相手を扱うのが上手い」ところだという。まだまだ動きの回数、精度など向上の余地はある。トップレベルの選手のスピード、「相手を動かす」感覚を学び、「怖い存在になるため」自分のプレー向上に務める。

(取材・文 吉田太郎)

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