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[プレミアリーグWEST]東福岡、2冠達成へ質向上させて「まずは県大会」

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[9.27 高円宮杯プレミアリーグWEST第15節 東山高 1-5 東福岡高 東山高G]

 全国高校総体優勝後のプレミアリーグWEST5試合は1勝1分3敗。全国総体初戦敗退からの巻き返しを誓い、後半戦9試合を6勝1分2敗で走り抜けて2位に食い込んだ昨年ほどの強さ、モチベーションを東福岡高は発揮することができていない。今年の全国総体では炎天下の中、7日間で6試合を戦い、その後県外遠征も行ったチームはなかなか疲労を取ることができなかった。また森重潤也監督が「つまらない失点をしているから、チームのモチベーションの下がり方も凄かった」と説明するように決して状態が良かった訳ではない。指揮官は「今はそういうところからチームの修正をしているんだけど、トレーニングでは。でもまだまだかな」と加えるが、それでもこの日は高体連のライバル・東山高相手に5-1で快勝。結果としては最高に近い形で選手権予選前最後の公式戦を終えた。

 後方からCB小笠原佳祐やCB加奈川凌矢(ともに3年)、GK脇野敦至(2年)らがよく声を出し、試合中でも意見を出しあってより良い方向へ向けようとするなど、いい雰囲気の中で試合を進め、相手にチャンスをつくられても要所でしっかりと潰して得点を許さなかった。そして全国高校総体6試合で26得点をたたき出した攻撃陣は前半8分に同大会得点王のFW木藤舜介(3年)が先制点を上げると、左の強力アタッカーMF赤木翼(3年)や右MF星本憲杜(3年)が再三ゴールへ迫り、活動量の多かったMF山根翼(3年)や1年生MF藤川虎太朗も奮闘。後半には交代出場で右サイドを切り裂いたMF藤井慶樹(3年)や右SB堀吏規伸(3年)の突破などから決定機をつくり、交代出場のFW餅山大輝が2得点をあげるなど、「休んでいるヤツらが危機感を持っていい刺激になってくれればいい」(森重監督)という活躍もあった。

 全国総体ではMF増山朝陽(3年)と赤木の両ワイドの攻撃力やテンポのいい崩しで相手を圧倒し、U-18日本代表MF中島賢星(3年)や木藤の貴重な一撃もあった。作陽高を6-0、神戸弘陵高を8-1でそれぞれ撃沈したのをはじめ、“西の横綱”は横綱らしい勝ちっぷりで17年ぶりとなるタイトルを獲得した。ただ森重監督は「自分の理想とするサッカーがあって、まだまだそこに来ていないというところが見えている。(ただし)、そういう中でもやれている部分があったので、決してこのサッカーが悪い訳ではないんだなというふうには思った」と語る一方、「いろいろな部分での質という部分であったり、それは継続して上げていきたいなと思うし、結果だけ見たら、凄い得点力かもしれないけれど、まだまだ取れる部分はあったかもしれないし、目指すサッカーとしてはもっとやって欲しいところがある。もっと自分たちが楽するために、相手を苦しめるために、という部分。全然やれていないところはまだあります」と口にする。

 強さを見せつけた夏。その後チームとしてはなかなか上手くいかなかったが、それでも徐々に上向きになってきているのは間違いない。夏以上に厳しくなるだろうライバルたちのマークを振り切って再び頂点に立つことができるか。左SB末永巧(3年)は「しっかり、まず県大会油断せずに勝って、全国に繋げたいなと思います」。まだ“物足りない”部分をこれから向上させて全国2冠に挑戦する。

[写真]後半44分、東福岡は餅山が5点目のゴール

(取材・文 吉田太郎)

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