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[プレミアリーグWEST]敗戦も攻撃手ごたえの東山、選手権予選へ「早く試合したい」

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[9.27 高円宮杯プレミアリーグWEST第15節 東山高 1-5 東福岡高 東山高G]

 プレミアリーグデビュー戦だった開幕戦で京都橘高を1-0で下して初勝利を挙げた東山高だが、その後の14試合を3分11敗。この試合では全国高校総体王者・東福岡高相手にPAまでボールを何度も運び、決定的なシュートも放っていたものの、得点はエースFW鎌田大地主将(3年)が頭で決めた1点に終わってしまった。「冷静さ。判断ですよね。攻撃の部分は見ていないから判断ができないというところはあった」と福重良一監督は、ゴール前での冷静さを欠いたプレーを指摘。ただ「ボールを全く触れないのではなくて、最後のラストパスや落としの部分、最後のフィニッシュの部分なので。それが大きな差が出るからアカンとなるけれど、数こなせるようになってきたので、その課題を修正するのと、1回で決まらないチャンスを2回、3回とつくっていければ」と期待する。初のプレミアリーグで苦しみながらも学び、成長してきたことを選手権予選で発揮して、東山としては96年以来となる全国切符を勝ち取る意気込みだ。

 昨年12月のプレミアリーグ参入戦では1、2年生のみという新チームのメンバーで参戦。それでも北海道王者の帯広北高、前評判の高かった藤枝東高を連破してプレミアリーグ参入を決めた。ただ指揮官が「1、2年生であの舞台で帯広さんと藤枝さんに勝って、驕りがあったと思う」と指摘したように、その後チームは慢心してしまった部分があった。トレーニングの上手くいかない時期があり、また春休みにJFAアカデミー福島U18や清水ユース、広島ユースというプレミアリーグ勢とのテストマッチで納得のいく試合ができたことで鎌田も「半分、真ん中くらいまでは行けるんじゃないかと思っていた」。そして開幕後、結果が出ずにメンタル面で沈んでしまったチームは全国総体出場を逃し、その後も厳しい結果が続いている。

 ただ、格上との試合が続く中で地力がついてきているのは間違いない。非凡な才能を持つ鎌田や怪我明けだが実力派のMF井村泰誓(3年)というタレントがおり、パワフルなFW黒木駿志(3年)や10番MF守屋諒(2年)、右SB福重瑛貴(3年)といったチャンスメーカーたちが前線までボールを運ぶことができる。守備時のリスクマネージメントの部分やゴール前での落ち着きを欠いていることで結果こそまだ出ていないが、この日も、前節の名古屋U18戦もチャンスは何度もつくることができたという手ごたえをもって選手権予選に臨むことができそうだ。福重監督はJクラブユースや高校トップレベルのチームとのリーグ戦を通して「満足行く試合が多くなってきている。9月でひとつ整理できたし、これで選手権へ向けてまた整理できると思う。できること、できないこと、やれること、やったらアカンことというのが整理できて良くなっていると思いますよ」と口にする。鎌田も「きょうは結果がついてこなかったけれど自分たちでも成長はだいぶ感じるので、あとは練習試合でプリンスとかのチームとやるのでもっといい状態にして選手権に臨みたい」。

 鎌田が「今は全然負ける気しいひんし、全然やれると思う。負けて引退するのは嫌ですけど早く試合したいです」という現在の東山。苦しいシーズンを通して成長したところを結果で示す。

(取材・文 吉田太郎)

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