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[選手権予選]悲願の初Vへ、攻守かみ合った関東一が7-0発進:東京A

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[10.4 全国高校選手権東京都Aブロック予選2回戦 東大和高 0-7 関東一高 駒沢第2]

 4日、第93回全国高校サッカー選手権東京都Aブロック予選2回戦が行われ、11、12年度準優勝の関東一高と東大和高との一戦は関東一が7-0で快勝した。関東一は12日の準々決勝で修徳高と戦う。

 悲願の初Vを狙う関東一が快勝発進した。関東一は前半6分、CB吉田滉(3年)のフィードで右サイドを抜け出した右MF高橋快人(2年)がループシュートを決めて先制。さらに14分にはJ注目のエースFW角口大征主将(3年)が相手のミスパスをインターセプト。すかさず右足シュートをゴール左隅へ沈めてリードを2点に広げる。

 最終ラインと10番MF井ノ口純希(3年)を軸にビルドアップする東大和もサイド攻撃から反撃。ボランチのMF吉野健太(3年)が2度DFを振り切って関東一の懐をえぐるなどチャンスをつくり返す。ただ関東一は中盤、最終ラインの8人がブロックをつくって対応。小野貴裕監督は「守備のためというよりも、ボランチを経由してちゃんと攻撃できるように、なるべくボランチの周りに人を置いてやろうと思って。だから、あまりSHを張りっぱなしにさせないで近めに置いた」と説明したが、守備が安定した関東一はボールを奪ってからスムーズにボランチへ入れ、そこからMF尾山直己とMF坂東智也(ともに3年)がサイドへ展開して高めの位置取りをする相手SHの背後を取った。そして26分、右CKのクリアボールを拾った尾山がクロスを入れると、MF鈴木隼平(2年)がDFと競り合いながら頭でゴール右隅へねじ込んで3-0と突き放した。

 東大和は29分、FW大庭哲朗(3年)が思い切ったドリブルから右足でフィニッシュ。36分には右SB遁所直史(3年)の右アーリークロスをファーサイドの大庭が頭で合わせたが、シュートは関東一GK岸将太(3年)がファインセーブでCKへ逃げる。追撃できない東大和に対して関東一は前半アディショナルタイム、角口が右中間からのFKをニアサイドへ突き刺して4-0。「(総体予選の)高輪のときに3-0で前半終わって後半一発目1点とられて苦しんだ。4点目来なかったら苦しいかなと思っていた」という指揮官の不安を払しょくする4点目で完全に試合を優位なものとした。

 東大和の応援団たちは0-4の展開にも全く怯まずに声を上げ続ける。だが、小野監督が「ボール持ちながら守備の正しいポジションを修正したいと思っていた。(ボールを保持できることもあって)カウンターでやられることが少なくなったんですよ」と説明する関東一は終始安定した戦いぶり。後半4分に右CK後の連続攻撃から最後は吉田が豪快に右足で決めて5-0。この後、試合をコントロールしながら時間を削った関東一は31分、左サイドを切れ込んだMF音泉翔眞(3年)のクロスを鈴木が左足で決める。そしてアディショナルタイムにはスルーパスで左サイドを抜け出した音泉が左足でゴールを破って7-0。昨年度の初戦では同じ都立勢の国分寺高にまさかの黒星を喫したが、今年は7-0というスコアで快勝を収めた。

 ボランチのポジションで攻守に奮闘した尾山は「自分たちの代で歴史塗り替えて、まだ選手権出たことがないので、自分たちで全国出て最後高校サッカー終わりたいと思います」と宣言。1年時に都決勝の舞台を踏んでいる角口は「都立が初戦で少し不安もあったんですけど。(自分たちが)1年の時に3年生が(準決勝以降が開催される)西が丘に連れて行ってくれたので、今度は自分の番かなと思う。1、2年生に西が丘を経験させてあげたいし、自分たちもまだ東京の壁を越えられていないのでそこを越えられるようにやっていきたいです」。関東一は好調なエース・角口を中心に全体的に技術レベルが高く、守備のバランスが取れてきた。加えて今年は高さもある。準々決勝の対戦相手は3年連続の全国大会出場を狙う修徳。夏の全国総体予選で延長戦の末に勝利している修徳を再び突破して悲願の全国進出へ一歩前進する。

[写真]後半4分、関東一は吉田のゴール5-0

(取材・文 吉田太郎)

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